2012年以降は参戦車両が大きく変わった
山岳レースであるため、コースはダート路面だったが、80年代から90年代にかけて、アスファルト舗装が増えていった。さらに、環境団体などから自動車が走行することで土ぼこりが立つことが森林などに悪影響を与えるとの反対運動が盛んになり、さらに段階的に舗装が進み、いまでは山頂まで完全に舗装路面のみとなった。
そのため、参戦するクルマの種類もここ数年でだいぶ変わった。
以前は、ラリー仕様車や、日本でいうダートラ仕様車、またアメリカではショートダートオーバルコース仕様のバギーのような恰好をしたマシンが主流だった。
その中でも、圧巻だったのはモンスター田嶋こと、田嶋伸博選手が操ったスズキのスイフト、エスクード、XL7やSX4の名称をつけたパイクスピーク専用マシンだった。田嶋選手は、1992年、1995年、そして2006年から2011年までは6年連続で総合チャンピオンに輝いている。
田嶋選手の良きライバルだったのが、ニュージーランド生まれのロッド・ミレン選手。北米トヨタのサポートを受けて、セリカやピックアップトラックのタコマをイメージしたスペシャルマシンで1994年と1996年から4年連続の総合優勝を奪った。
また、欧州メーカーもスペシャルマシンを仕立てて総合優勝しており、たとえば2013年にはプジョー208T16、そして2018年にはフォルクスワーゲンのEV(電気自動車)であるI.D.Rが参戦し、8分を切るコースレコードを樹立している。