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「安全面」でも有効で「お財布」にも効果的! 意外とおろそかにされがちな「タイヤローテーション」の意味 (2/2ページ)

「安全面」でも有効で「お財布」にも効果的! 意外とおろそかにされがちな「タイヤローテーション」の意味

この記事をまとめると

■タイヤ交換時に気をつけたい「ローテーション」を解説

■方向指定がある場合は、守ったほうが安全だ

■例外として、レースでは稀にこれを無視する場合がある

タイヤはそもそも何故ローテーションが必要なのか

 タイヤローテーションという言葉を耳にしたことがあるだろうか。日本語訳すればタイヤの配置換え、とでもなるだろうか。走行距離5000kmごと、あるいは走行距離10000kmごとといったように、クルマが決められた距離を走ったら、前後左右のタイヤ装着位置を変える作業である。

 では、なぜタイヤの配置換えが必要なのだろうか。推測どおり、タイヤの摩耗状態を均一に保つための工夫である。一般的なFF車の例で考えてみると、前輪に課せられた役割は駆動輪、操舵輪のふたつとなり、なおかつFFという車両の構造上、前輪は後輪より重い車体重量を負担をすることになる。一方、後輪は、駆動力は受け持たず、重量負担も小さめ、左右に舵角が当たることもなく、前輪に比べてストレスは小さい。

 こうした条件下で走行を重ねると、当然ながら前輪の摩耗のほうが速くなる。しかも、左右に向きを変えることから左右ショルダーに負担がかかり、この部分の摩耗が進むことにもなる。一方、リヤタイヤは、車体後部の重量を負担し、真っ直ぐ向いて回るだけなので(厳密に言えば、トー、キャンバーがついているので完全な真っ直ぐではない)、トレッドセンター部から摩耗が進んでいくことになる。

 さて、新品時には均一なトレッドブロックの状態を保っているタイヤだが、5000km程度走行すると、前後輪でいま説明したような摩耗の違いが生じてくる。つまり、前輪は左右ショルダーブロックが摩耗し、後輪はトレッドセンターが摩耗する、という状態だ。この状態のままさらに走行を重ねると、前後輪での摩耗差はより顕著になり、極論すれば、前輪はセンターブロックだけ、後輪はショルダーブロックだけが著しく残るといった偏摩耗が起きることも十分考えられるのだ。

 タイヤは、その装着位置によって受けるストレスが異なり、摩耗の仕方が異なるという特徴があり、その結果、ショルダーブロックのみ、センターブロックのみが摩耗したタイヤは、走行性能、とくに雨天走行時の排水性能で大きな影響を受けることになる。

 では、前後輪で生じるこうした摩耗の違いを解決するにはどうすればよいのか、という対応策が、タイヤの配置転換、つまりローテーションである。古くから推奨されてきた方法は、1輪ずつその装着位置をズラしていく方法で、右前輪を右後輪へ、右後輪は左前輪へ、左前輪は左後輪へ、そして左後輪を右前輪に移す方法である。

 ほかにも、対角線方向で行うX字型ローテーションがある。これは右前輪と左後輪、左前輪と右後輪を互いに入れ替える方法だが、ローテーション自体は、タイヤに加わるストレスを均一にすることで、言い換えれば摩耗状態が均一になることを目的とした装着位置の変更である。

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