後ろに迷惑をかけてしまってもまずは焦らない!
●ケース3:駐車場の券やお金を入れる機械に手が届かない
時間貸し駐車場の入口/出口までのアプローチが直線の場合は、よほどのことがない限り「目測を誤り、機械まで手が届かない」となることはないだろう。だがアプローチ部分がタイトなカーブになっている駐車場では、運転席からマシンまで手が届かない場所に停止させてしまうこともある。
混雑している駐車場で、後ろには何台もの車がつらなってしまい、皆が「……ちっ、トロくせえやつだな。早くしろや」とイラついているように思える。いや、たぶん実際イラついているのだろう。気まずい……。
この場合の対処法はカンタンである。
焦らずゆっくりと、ドアをぶつけないように開けながら車外に出て、機械を操作する。そして後続のドライバーに向けて軽くサッと手を上げながら、心の中で「ゴメンね!」とつぶやく。そしてまた焦らずドアを開けてゆっくりと車に乗り込み、ゆっくり発進する――という、ただそれだけである。
要するに「起きてしまったことはもうどうしようもないので、あえて開き直る」ということが、ここでは大切なのだ。
こういった局面で「あわわわわわ……!」みたいな感じで焦り、届かない手をなんとか車内から届かせようと無駄な努力をすると、逆に時間がかかり、最悪の場合には(ATをDレンジに入れっぱだとしたら)足がブレーキペダルから外れ、急発進して駐車場の柱に激突するか、さらに最悪のケースでは、車両の前方にいる誰かを轢き殺してしまう可能性すらある。
後ろでイラついてる人も、基本的には皆さんフツーのいい人である。そして仮に相当な“輩”だったとしても、そいつがいきなり車から降りてきて殴りかかってくることなど99.9%ない。
まぁ気まずいのは確かだが、心頭を滅却することで極力その感情を遠ざけ、ゆっくりと確実に行動するのがこの場合のベストだ。
●ケース4:合流で入れてくれた車に対して「サンキューハザード」を出したら、自分に続いて無理やり合流してきた後続のドライバーにお礼を言う形になってしまった
これも気まずいは気まずいわけだが、その対処法は簡単すぎるほど簡単だ。
「気にしない」
この一語に尽きる。
サンキューハザードという行為そのものの是非については、ここでは議論しない。だがそれはさておき、世の中から「ありがとう」が減って困ることはあっても、増えて困ることはないのだ。
あなたが言った「サンキュー!」は意味不明な無駄撃ちに終わったわけだが、まぁいいではないか。世の中に対して、虚空に向けて少なくとも一つの「感謝」をサプライした事実をかみしめたうえで、忘れよう。それでいいのだ。