この記事をまとめると
■クルマに乗っていて気まずいシチュエーションになるケースは多くの人が経験
■なかでもよくある4つのケースを取り上げた
■それぞれの対処法についても言及している
ディーラーのお見送りはむしろ辛いサービス!
人間、生きていると「気まずい瞬間」というのは多々ある。
たとえばテレビジョンを視聴している際、アナウンサー氏が「では、次は岡山から●●の話題です。岡山放送局の田中さ~ん?」などと呼びかけ、岡山放送局の田中さんが映る画面へとスイッチングされるシーンを、貴殿らもしばしば目にしていることと思う。
が、稀にスイッチングがうまく行われないことがある。
「岡山放送局の田中さ~ん? …………画面が出ないようですね。えぇと、田中さん? ……まだ出ませんか。大変失礼しました、しばらくお待ちください……」などと言いながら、仕方なくモニターを凝視しているアナウンサー氏はかなり気まずい気分であろうし、見ているこちらとしても、いたたまれない気持ちになってくる。
これは、しょせん私とは縁遠いテレビ業界での話でしかない。だが、ごく一般的なドライバーとして普通の日々を過ごしているなかで、これに類する「気まずさ」を味わってしまうこともある。
たとえば、整備などの用事があって自動車ディーラーに行ったときだ。
「本日は誠にありがとうございました!」
そう言って深く一礼した担当セールス氏が、わざわざ道路っぱたまで見送りに出てきてくれる。……そんなことしなくていいのにと思いながら出発し、ちらりとルームミラーを見ると、セールス氏は歩道で深々とお辞儀をしている。
いたたまれない気分になり、なる早でセールス氏の視界から消えてあげようと思うが、そんなときに限って環七は思いっきり渋滞している。まったく動かない。
気まずい気持ちのままミラーを見ると、セールス氏もお辞儀はさすがにもうしていないが、その場を離れるわけにもいかず(それが社内ルールなのだろう)、手を前に組み、直立不動でこちらを見ている。こっちも気まずいが、向こうだって気まずいだろう。そして「環七、早く動いてくんねえかな……」と、内心では思っていることだろう。本当に気まずい。ディーラーのあの風習は、本気でやめてほしいと思っている。
まぁこれはかなり極端な例だが、このような「気まずい瞬間」の発生を極力回避するために、我々ドライバーができることはないのだろうか? 仕事がなくヒマなので、ケース別にいろいろ考えてみることにしよう。
●ケース1:ディーラーマンのお見送り問題
先ほど例として挙げた「渋滞がひどくて、ディーラーマンの視界からなかなか消えることができない」という場合は、実は対処しようがない。心頭を滅却して「なるべくミラーを見ないようにする」ということぐらいしか、気まずさを減じさせる手段はないのだ。
しかし道路がある程度動いている場合は「背が高いトラックなどの前にさっさと入る」ことで、ディーラーマンの視界からすみやかに消えてあげることができ、お互いの精神衛生は向上する結果になるだろう。
●ケース2:知人のお見送り問題
知人を自分の車でどこかまで送った際、その知人を降ろした後は、本当ならさっさとナビをセットして帰りの道順を確認したい。
だが知人は「それが礼儀だ」と思っているのか、まるでディーラーマンのように歩道に立ち、いつまでもこちらに手を振り続けている。
ええと……とっととどこかに行ってほしいんですが、ダメですかね? ダメですかそうですか――という気まずさというか「ありがた迷惑」が発生することも、クルマを運転していれば、どうしたってたまにはある。
この場合の対処法は「用も意味もない曲がり角を左折または右折する」しかない。
特に曲がりたいわけではないのだが、いや曲がってしまうと遠回りになって面倒なのだが、とりあえずは知人の視界から消えることを優先し、そのうえで、しかるべきタイミングとしかるべき場所でナビをセットする。残念だが、それしか手はないのだ。