悪路も急勾配もワインディングも苦もなく走り抜けるXV
今回はそんなXVを、千葉県鴨川市にあるSUBARU里山スタジオという場所で撮影&試乗した。千葉県立嶺岡山系自然公園内にあるその場所は、東京ドーム2個分の広さがあり、ナンバーなしの車両でも走行可能な林道が存在する一方、キャンプや展望エリアを備えるなど、SUV系のクルマを体感するにはもってこいの環境が整っている。
もちろん、周辺の一般道には市街地やワインディング路なども多く存在し、あらゆるシーンを試すことが可能だ。
新型XVに乗ってまずは林道をゆっくりと走ってみる。ここはクルマのすれ違いが不可能なかなり狭いアップダウンもある場所なのだが、XVが持つ適度なサイズ感があり、そんなタイトな場面もスイスイと駆け抜けて行くことが可能だった。
全幅1800mmと決してコンパクトとは言えないが、アップライトに座ることができ周囲を目視しやすいコクピットによって、見切りはしやすい。それでも足りない時にはステアリングに備わるviewボタンを押せば、即座に左脇の状況も把握でき、枝や岩場をかわすことも容易。
急勾配ではX-modeが役立ち、特に下り坂ではヒルディセントコントロールによって恐怖感なくゆっくりと下れたことが好感触。ストロークたっぷりの車高は、荒れた路面を見事に吸収し、クルマの底部を一切擦ることがなかったことも嬉しい。
こうした悪路走破性があるクルマの場合、一般道に出ると舗装路で揺らぎが心配されるところだが、ワインディングを走ってみてもロール&ピッチは適度に抑え込まれており、運転のしやすさを十分に確保していた。これならオールマイティに愉しむことができそうだ。
SUVブームであり大きなクルマが増えてきたが、それはリアルなアウトドアに出掛けようとすると、ちょっと扱いにくかったりする場合がある。XVはそんな窮屈なシーンであっても一切気を遣うことなく使えるところが良かった。
最近のアウトドア用品は非常に考えられており、たとえば今回体感したテントサウナはリュックサックひとつ分にまでコンパクトに纏めることが可能だという。
こうしたものを上手く使い、ルーフキャリアなどの用品で自転車を積載できるように補って行けば、クルマ自体はそれほど大きくなくても良いのかなとも思えてくる。
何が何でも大きくて高いクルマばかりが良いわけではない。工夫次第でアウトドアライフはいくらでも広がって行きそうな気がしてきた。