長所がそのまま短所にもなっているCX-3
■CX-3の評価はどのような感じ?
ここまではCX-3の成り立ちやスペックなどを確認してきたが、ここでは実際にCX-3がどんな印象を持たれているかにスポットを当てたい。
CX-3の良いところ
1 スタイリング
まず、なんといっても高評価なのがスタイリング。SUVらしからぬ流麗なフォルムを気に入って購入したという声が目立つ。
上位モデルとなるCX-8、CX-5と同じくマツダのデザインテーマ「鼓動」が取り入れられているため、クラスレスな雰囲気があるのも魅力だ。
2 サイズ
マツダでもっともコンパクトなSUVであり、そのサイズ感に対する評価も高い。全長、全幅がそれぞれ5m、1.8mを大きく下まわっており、少しくらいの狭い道であってもまったく苦にならない。
全高もSUVとしては低い1550mmとなっており、立体駐車場も無理ではないサイズなのは大きなストロングポイントだ。
3 エンジン
発売当初から設定されているディーゼルエンジンに対しても高評価のようだ。1.5リッターでも十分なトルク感があったが、2018年のモデル改良で排気量を1.8リッターに拡大したことで、さらにトルクフルな走りを楽しめるようになった。
もっともCX-3は、ガソリンモデルを選ぶ人も半数近くおり、ガソリンエンジンでも不満はなさそうではある。
CX-3の残念なところ
1 ラゲッジスペース
まるでスポーツカーのような流麗なフォルムが高評価なスタイリングだが、それゆえに犠牲になっているのがラゲッジスペースだ。クーペのように傾斜したCピラーを採用しているために、リヤシートを使用した状態でのラゲッジ容量は203L、サブトランクを含めても350Lしかない。
ダイハツ・ロッキーがリヤシート使用状態でも369Lあることを考えると、かなりラゲッジ容量は心許ない。
2 後席の居住性
見晴らしがよく開放感がある後席ではあるが、後席の足元スペースは窮屈さを感じざるを得ない。
これもCX-3のストロングポイントであるコンパクトなサイズゆえに犠牲となってしまった部分だ。
3 インテリア
デザインの秀逸さや随所にこだわりを感じさせるインテリアだが、その一方で高級さを感じられないといった評価が多い。
これは、スタイリッシュなエクステリアゆえにインテリアにも車格以上に大きな期待をしてしまう人が多いらしく、その期待に十分に応えることができていないということだろう。
中古車での相場
2015年から販売されているCX-3は、中古車市場でも十分な台数が流通している。某中古車情報サイトには1168台が登録されていた。参考までにエンジン別で相場を調べた結果は以下の通り。
1.5リッターディーゼルモデル:75.8万〜228.8万円
2.0リッターガソリンモデル:112.8万〜179.9万円
1.8リッターディーゼルモデル:155万〜238万円
1.5リッターガソリンモデル:169.8万〜199.8万円
■そろそろモデルチェンジ? どのような噂があるの?
すでに登場から6年が経過しているCX-3。通常のモデルであればそろそろモデルチェンジの噂が聞こえてきてもいい頃ではあるが、CX-3に関してはそのような噂はまったく聞こえてこない。それどころか、サイズが近く実用性も高められているCX-30が登場し、さらに2021年10月にマツダが発表した「2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画」でもCX-3にはまったく触れられていないことで、このままCX-3は終売されるのではないかとの噂が出るほど。いずれにしてもメーカーからのアナウンスはまったくないために、真相は不明だ。
■まとめ
マツダでもっともコンパクトなSUVとして、マツダのSUVラインアップを支えてきたCX-3は、スタイリッシュなエクステリアとコンパクトなサイズが長所であり、それがまた短所にもなっていると評価されている。スタイリッシュさとコンパクトさを取るか、それとも居住性と実用性を取るかで評価が大きく変わるクルマかもしれない。