人の楽しみを「邪魔しない」副操縦士も!
3)マツダCO-PILOT
マツダが2022年にも発売される新型車から搭載を予定している最新技術が、ドライバーを見守る、まるで航空機の副操縦士が同乗しているようなMAZDA CO-PILOT CONCEPTだ。「人間中心の安全技術でドライバー自らの意思で運転し自由に移動する”走る歓び”」をサポートする技術で、まずは「異常検知」を核としたMAZDA CO-PILOT CONCEPT1.0からスタート。2025年以降にはそれに「予兆検知」が加わる2.0へと進化し、導入されることが予定されている。
MAZDA CO-PILOT CONCEPT1.0は、ベースのセンサー仕様車の場合、クルマがドライバーの姿勢崩れ、視線・頭部の挙動、ステアリング・ペダル操作量を常にセンシング。いつも通りではない異常、あるいは居眠りを検知するとディスプレイに表示され警告するとともに、自動でハザードランプが点灯し、クラクションを鳴らす。そして、一般道であればクルマが自動で車線内減速停止、高速道路路上であればクルマが自動でウインカーを出し、路肩へ退避してくれるというもの。
さらに緊急通報システム(SOSコール)によって自動でオペレーターに接続。警察、消防への通報まで行ってくれるのだ。運転中、突然に意識を失うなどの緊急事態が起きても、被害を最小限に抑え、早期にドライバーの救命処置をとることが可能になるわけだ。ちなみにこの技術、自動運転にも見えるのだが、マツダはそうと考えてはいない。平常時に作動する機能ではないからという理由である。
では、2025年以降に向けて開発中のMAZDA CO-PILOT CONCEPT 2.0になるとどうなるか? 1.0との違いは、2.0になるとドライバーの体調変化を「予測」する異常予兆検知技術が盛り込まれていること。
マツダは大脳の機能低下で起こりうる意識的な行動変化や能幹の機能低下で起こる無意識的なヒトの反応変化に着目し、それを元に異常予兆を検知するという技術を確立したのだ。つまり、普段の運転から逸脱していないか? 運転シーンに応じた運転操作量(ステアリング・ペダル)の通常時との乖離度、視線挙動が異常な振動パターンに変化していないか? などといった運転操作・頭部挙動・視線挙動のパラメータで、総合的に異常予兆を検知・判断するのである。
もはや車内に副操縦士のほかに、医療関係者まで同行しているような安心が得られることになる。高齢化社会、シニアを含むドライバー本人はもちろん、同乗者、そしてその家族まで安心できる万全体制のドライブが可能になるのである。
4)マツダCX-5のマツダインテリジェントドライブセレクト
マツダCX-5のビッグマイナーチェンジでは、エクステリアのリフレッシュ、ダイナミクス性能の進化、ツブザラ路面における乗り心地の改善、ラゲッジスペースの使い勝手の向上など多岐にわたるのだが、新グレードとして加わった、マツダインテリジェントドライブセレクト(Mi-Drive)の機能のひとつ、フィールドジャーニー専用のオフロードモードがすごかった。
実際にタイヤが宙に浮くようなバンク、モーグルセクションを体験したのだが、勾配とステアリング角度をセンシングしていて、山側(上り方向)にステアリングを切るとアイドリングが高まり、トルクをアップさせ上りやすくなり、谷側(下り方向)にステアリングを切ると、逆にアイドリング回転数を下げゆっくりと下れる制御が行われるのだ。オフロードでのトラクション制御にしても、従来の定速のみから、150km/hまでになったことも朗報だろう(国内のどこで威力を発揮させるかは別にして)。
また、ロック、ダートなどのオフロードモードを備える4WDもあるが、CX-5はオフロードモード1本に統一。これはユーザーの使いやすさを優先したからだという。
5)レクサスNXの14インチディスプレイ
レクサス初のPHVをラインアップした最新のクロスオーバーSUV、NXに乗り込んで、まず驚かされたのは、eラッチと呼ばれる内外の電磁ボタン式ドアオープナーの開閉操作、そして巨大ディスプレイである。何しろインパネの3分の1を占めるほどの14インチサイズなのである(version LとF SPORTに用意)。これは国内で売られる国産車最大級サイズ。
じつは北米向けのクルマながら、フルサイズピックアップトラックの新型トヨタ・タンドラにはオプションで巨大な14インチディスプレイが用意されているのを知って羨ましく思っていたのだが、ついに国内でも国産車に14インチディスプレイが選べるようになったわけだ。
そのディスプレイ、コネクテッドナビゲーションの親切ぶり、先進機能もまた、見逃せないポイント。ドライブモードセレクトスイッチの中の照明も凝っている!