補助政策が実施されてもガソリン価格が大きく下がることはない
そもそも地域の違いや、同じ地域でもガソリンスタンドの設置場所によって価格は幅がある。また、この施策はレギュラーガソリンが1リッター当たり170円を超えてはじめて施行されるので、現状、160円台で推移すれば何も行われないことになる。
いずれにしても、170円あたりを上限として、大幅な価格低下は望めないということだ。もし、単に値下げを行うなら、ガソリンに課せられている揮発油税の暫定税率分である49.6円分を外せば、たちまち下がることになる。ちなみに本則税率は24.3円で、これに暫定分が加算されている。
一方、脱二酸化炭素という社会の動きのなかで、ガソリン消費を促す政策がどう影響を及ぼすかも検討する必要があり、暮らしや経済を活性化することと、二酸化炭素排出抑制の両立は、この先も難題として日々降り注ぐことに変わりはない。
そうしたなか、2022年には軽自動車の電気自動車(EV)が、日産自動車と三菱自動車工業からいよいよ発売になる。もちろんその新車価格次第とはなるが、EVなら電気代はガソリン代に比べ格安だ。また、ガソリンスタンドに立ち寄らなくても済む住宅事情の人もいるだろう。これまで以上にエンジン車離れが進む可能性が生まれ、ガソリンスタンド経営はますます厳しさを増すはずだ。
そうした需要と供給の関係でガソリン価格は決まるのであり、この先原油価格が下がることがあったとしても、ガソリンスタンド経営の厳しさは変わらず、したがってガソリン価格の大幅な値下げは難しいのではないか。