この記事をまとめると
■過去、リヤにベルト状のものをぶら下げているクルマをよく見かけた
■アースベルトと呼ばれ、車体の静電を抜くためのものだった
■いまはタイヤがその役割を担っている
静電気による発火を防ぐために装着された
50歳ぐらい以上の方だろうか。自動車の後ろにベルト状のものをぶら下げているのをよく見かけたものだ。下に向かって矢印が付いていたり、反射板が付いていたりしてちょっとしたアクセサリー的なものだし、人気ゆえか類似品に対する裁判まで起こって話題になったこともある。しかし、そもそもなんのために付けていたのだろうか?
結論から言うと、車体の静電を抜くため。冬にドアなどに触れるとパチンとイヤな感じになるのを防ぐために付けていたし、大型車でも太いタイプをぶら下げていた。なかにはチェーンの場合もあった。こちらはタンクローリーなどで、静電気による発火を防ぐためとされていた。
その効果となると確証はないとされるし、ブラブラしているもの程度で地面に静電気が抜けていくのも疑問だ。ただ、最近話題のアルミテープの効果効能で語られるように、自動車など空気の中を高速で移動するものには静電気が溜まりやすく、これを抜くのは効果はある。
では、アースベルトがなくなった今どうしているかというと、タイヤが地面に抜いている。もともとタイヤのゴムには電気を通しやすいカーボンが使われているし、内部は金属でできた繊維が入っているので、電気を通しやすいのだ。ただ、しなやかさと転がり抵抗に有利なように最近使われることが多いシリカは電気を通しにくいため、その対策としてトレッドの一部に導電スリットと呼ばれるラインが入れられていて、ここから抜けていくようになっている。
それでもどれだけの効果があるのか気になるが、オーディオへのノイズが減ったりするというから、対策する意味はあるようだ。