探してみると「美味そうな車名」のクルマが大量に
そのほかの「そのものズバリ系」は「日産ピノ」と「日産エスカルゴ」、あるいは「オペル マンタ」があるわけだが(マンタ=体重約3tのエイ。食用ではないが、食えないこともないらしい)、筆者がここで本当に議題としたいのは「なんとなく系」の美味しそうな車名についてである。
たとえばマツダの往年のセダン「ルーチェ」だ。
これまた普段は「うむ。1966年から1995年まで、5代にわたって生産されたあれか。子どもの頃、2代目はけっこう好きだったな」などと思うだけだが、腹が減っているときに「ルーチェ」と聞くと、「森永ルーチェ(MORIAGA LUCE)」という、ありもしないチョコレート菓子のロングセラー商品を夢想してしまうのだ。
この「なんとなく系」というか、正確には「お菓子のロングセラー商品系」は輸入車の車名に多い。
ベントレーの「ミュルザンヌ」は株式会社ブルボンが昭和40年代から作っていそうなイメージがあり、フェラーリの「ポルトフィーノ」は、ブルボンのミュルザンヌに対抗して別メーカーが発売した、細長いクッキーの中にチョコレートが入っているお菓子であろうか。パッケージの色味はミュルザンヌが紫基調で、ポルトフィーノはオレンジ基調……のような気がする。
さらに、この2製品に対抗するべく生まれたチョコレート菓子が、株式会社 東ハトの「レヴァンテ」だ。言うまでもなく本当はマセラティ製SUVの車名だが、上の句(ブランド名)なしで下の句(車名)だけを聞くと、上品なチョコレート菓子を想像してしまうことはたまにある。
だが――いや「だが!」と力むほどの話ではないのだが、同じイタリアのSUVでもアルファロメオの「ステルヴィオ」は、美味しそうというよりは健康食品の香りがある。
「ステルヴィオ1000」。そんなサプリメントを、かつてどこかで見たような気がする。気のせいだとは思うが。