同じ6気筒でも直列とV型では全く別モノ!
直列6気筒エンジン
BMWに代表されるシルキーシックスのように、上質な回転フィールが高く評価されることの多い直列6気筒エンジン。これはエンジンの構造上、カウンターウェイトやバランスシャフトなどを採用しなくても振動を完全に打ち消すことができるためである。
また、吸排気系のレイアウトや熱処理についても有利となっているため、ターボ化などによるパワーアップも容易で、90年代のハイパワー国産ターボ勢が揃って直列6気筒エンジンを搭載していたのもそういった理由があったのだ。
その一方で、当然ながらエンジン全長が長くなり、広いエンジンベイが必要となる点や、全長の長さによる剛性確保や重量増などがデメリットとなってしまう。
V型6気筒エンジン
最近では直列4気筒エンジンに次ぐ勢いで搭載車種が増えつつあるV型6気筒エンジン。これは6本のシリンダーを3本ずつ左右交互に配置し、1本のクランクシャフトに対してV字型に配置したものだ。
直列6気筒と同じマルチシリンダーエンジンであるにもかかわらず、全長を短くコンパクトにすることができるというのが最大のメリットで、縦置きだけでなく横置きにも搭載できるというフレキシブルさも特徴となっている。
ただし、静粛性やスムースさでは直列6気筒に劣るという点や、部品点数の増加によるコストの増加や、メンテナンス性の悪さといったデメリットも存在している。
とはいえ、V型6気筒エンジン独特のサウンドに魅了されるユーザーも少なくなく、今後も愛されるエンジンとなっていくことは間違いないだろう。