この記事をまとめると
■フェラーリはそのブランド力の高さからすべてのモデルがカッコよく見える
■じつはフェラーリでも凡庸で未成熟で煩雑なスタイリングのモデルもある
■人生を賭けてフェラーリを買った本人だからこそフェラーリのスタイリングには厳しい
※あくまでも個人の見解です
フェラーリはフェラーリだからかっこいいのか?
WEB CARTOP編集部より、素朴な疑問が届いた。「フェラーリのデザインにハズレがないのはなぜでしょう?」。
思わず「ええっ!?」と聞き返してしまった。フェラーリのデザインにハズレがない!? ぜんぜんそんなことないじゃないか! ハズレだらけじゃないか!
私「FF(フェラーリ・フォー)もハズレじゃないの?」
編集部「いや、あれも逆にカッコいいように見えるんです。登場した時は”えっ?”って思いましたけど、いつのまにかカッコ良く見えてきました。フェラーリフィルターのせいでしょうか?」
その通り。それは間違いなくフェラーリフィルターが原因だ。具体的な心理作用としては、「わざわざあんなフェラーリらしくないフェラーリを買うなんて、きっとすごいお金持ちなんだろうなぁ。スゲェなぁ」とか、「一見カッコ悪いフェラーリって、逆にツウっぽくてカッコいいよなぁ」といったものである。
フェラーリというブランドを抜きにして、FFやそのマイナーチェンジ版であるGTC4ルッソのデザインを見たら、カッコいいと思う人は大幅に減るだろうし(そもそも少ないが)、私の絶対評価としても、あのデザインはまるでダメだ。
FFやGTC4ルッソの場合、シューティングブレークというボディ形状そのものが、日本人の理解を超えている部分があるが、メルセデスの一連のシューティングブレークは、抵抗なく受け入れられた。それは、ルーフ形状が非常に滑らかに下がっていて、ゼイタクなロングルーフのクーペのように見えるからだ。
しかし、FFおよびGTC4ルッソは、ルーフラインが後端近くでガクンと折れていて、明らかにステーションワゴン風。超ロングノーズの2ドアクーペとステーションワゴンの融合は水と油で、それがどうにも受け入れられない。もちろん「そこかカッコいい!」という人もいるでしょうが、世界的に売れ行きが良くなかったことから見て、かなりの少数意見だろう。