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新しい技術でもない燃料ポンプやサイドブレーキに不具合の不思議! クルマの「リコール」が発生するワケ (2/2ページ)

新しい技術でもない燃料ポンプやサイドブレーキに不具合の不思議! クルマの「リコール」が発生するワケ

この記事をまとめると

■リコールとは保安基準に関わる問題

■改修には億単位の費用がかかることも

■経年劣化が原因の場合は避けられない

金銭的な負担を負うのは基本的に自動車メーカー

 クルマを所有していると、リコールのお知らせが届くことがある。その内容はさまざまだが、基本的にはメーカーの設計や製造時におけるミスが元で、車両が保安基準を満たさないときにリコールとなり、メーカーの責任によって無償改修がなされることになる。

 あらためて確認しておきたいのは、リコールの対象となるのは、不具合全般ではなく、保安基準に関わる不具合ということだ。何でもかんでもリコールになるわけではない。また、日本においてはメーカーが勝手にリコールを実施するわけではなく、国土交通省に事前届出を行なった上で、実施するものと定められている。

 当然ながら届出をする段階では改修内容についても明確になっていなければならないし、国土交通省はその内容が不適切であれば改善指示を出す。原因不明のままでは、リコールとして対応できない。リコールに発展しそうな、なんらかの問題が発生したときに「早くリコールを出すべきだ」という声があがることも珍しくないが、解決策がないままリコールを実施することはできないのだ。

 なお、余談だが保安基準に規定されていないが、安全及び環境の面から見過ごすわけにはいかない状態を対策することを「改善対策」と呼ぶ。リコールや改善対策に該当しない、不具合に対応することを「サービスキャンペーン」と呼んでいる。いずれも無償改修であることは共通だが、その対象の機能によって言葉が使い分けられている。

 また、道路運送車両法で自動車の所有者には、保有車両が保安基準を満たしている状態を守るよう点検・整備する義務があるとされている。リコールはメーカー都合だから直さないというのは、オーナー側の違反行為となる点は覚えておきたい。

 スマートフォンのアプリであればバグがあったとしても修正プログラムを配布すれば済むかもしれないが、自動車のリコール実施には、それとは比べものにならないほど多額の経費がかかる。

 とくに最近では大型案件が多くなっており、何百億円、何千億円というリコール費用がかかることも珍しくない。実作業はディーラーなどだが、金銭的な負担は、基本的に自動車メーカーとなる。そのため、内容によってはかなりの利益を吹き飛ばしてしまうようなケースもある。

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