かつては自動車メーカーになろうとしたこともあったヤナセ
ヤナセも歴史は古く、その開業は1915年と大正時代だ。三井物産から独立した梁瀬長太郎が起こした梁瀬商店は当初から、自動車と鉱油類の輸入を手掛けていた。その後、1922年にはエンジンから自社開発した国産車「ヤナセ号」を試作するなど自動車メーカーになろうとしていた時期もあった。
その後、第二次世界大戦などもあって自動車が輸入できない時期もあったが、戦後1949年にアメリカからビュイックを輸入したことで自動車輸入商社としての活動を再開。当初はキャデラックなどGM中心の輸入だったが、1954年にフォルクスワーゲンの日本販売権を獲得、同年ベンツの日本総代理権も得るなど、一気にドイツ車の輸入といえばヤナセといった風にイメージを変えていった。
その後、1987年にはメルセデスの販売権が日本法人に移り、1992年にはフォルクスワーゲンおよびアウディの輸入販売を中止。1993年からはじまったオペルの輸入販売についても2000年には日本法人へ移行するなどヤナセは輸入販売から、販売会社へとシフトしていった。
といった具合に、コーンズ、ヤナセの両社とも輸入販売にルーツを持っている。長い歴史で培った顧客リストは圧倒的であり、それが複数の高級輸入ブランドを併売的に扱える源となっている。
そうした伝統はユーザーメリットも大きい。具体的には整備ノウハウなどになろうが、顧客満足度としてはCORNESやYANASEのステッカーが持つブランド力も大いに貢献していると感じる。
だからこそ、いまや正規販売店のひとつであるコーンズやヤナセをあえて選ぶというユーザーも少なくないのだろう。