アルカナが日本上陸! ルノーが送り込むハイブリッドSUVはR.S.仕立ての走りが凄い (1/2ページ)

F1のパワートレインを参考に開発されたハイブリッドユニット

 ハイブリッドカー(HV)はつまらない。読者のなかにはそういう思いを抱いている人がいるだろう。その考えを覆してくれそうなクルマが来年上陸しそうだ。名前はルノー・アルカナ。このブランド初のSUVクーペが、日本ではHV専用車種としてリリースされる予定なのである。

 ルノーは日産や三菱自動車とアライアンスを組んでいるけれど、アルカナのHVは日産e-POWERとは別物だ。F1のパワートレインを参考に設計され、1.6リッター直列4気筒自然吸気エンジン、2つのモーター、ドッグクラッチ式トランスミッションからなる。

 欧州仕様の最高出力/最大トルクはエンジンが94馬力/15.1kgm、メインモーターが49馬力/20.9kgm、HSG(ハイボルテージ・スターター・ジェネレーター)の役目も担うサブモーターが20馬力/5.1kgmで、システム全体では143馬力になる。リチウムイオン電池の容量は1.2kWhだ。

 トランスミッションはエンジンが4速、メインモーターが2速で、それぞれにニュートラルもあるので、トータルで15通りのモードを持つ。

 ヨーロッパでは欧州委員会が2035年に新車のゼロエミッション化を提案し、ボルボやアウディなどが全車EVを公言している。そんななかでルノーが日本車が得意とするHVを送り出したのは、これをディーゼルエンジンの代わりと位置付けているからだという。

 このパワーユニットを搭載するアルカナは、ルノーが初めて手がけるSUVクーペだ。欧州ではCセグメントに属するが、プラットフォームはルーテシアやキャプチャー、先日2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した日産ノートなどと同じ、CMF-Bを用いる。

 ただし欧州仕様のホイールベースはキャプチャーより80mm長い2720mmで、ボディサイズは4568×1821×1576mmと、フランス車で言えばCセグメントSUVのプジョー3008に近い。

 試乗車は日本での販売を検討しているというスポーティなR.S.ラインで、キャプチャーのそれに似たインパネにはカーボンパネルや赤いストライプが施され、赤いステッチが入ったシートには一部にアルカンターラを奢る。

 さすがルノーと言えるのは、リヤにも身長170cmの僕がラクに座れること。座面を低くしたりしていないので自然な姿勢が取れるし、ルーフに頭が触れることもない。480リットルの容積を持つラゲッジスペースも奥行きがたっぷりしていた。


森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

愛車
2023ルノー・トゥインゴ/2002ルノー・アヴァンタイム
趣味
ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
好きな有名人
ビートたけし

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