クルマの電化とエネルギー施策変更でゼロエミッションは成る
脱炭素だけでなく、あらゆる温室効果ガスの大気中への放出を止めなければ、気候変動は収まらない。それが、排出ゼロ=ゼロエミッションである。これには、地下資源(石炭、石油、天然ガス)を燃やすことで出る、人体に有害な一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の排出もゼロにする意味がある。
米国カリフォルニア州で始まったZEV法は、ゼロエミッションヴィークルの普及を意味し、それはCO、HC、NOxの排出をゼロにすることではじまった。排出ガスがゼロになれば、CO2も出さないことになり、一挙両得の策なのである。だから、電気自動車(EV)でなければならない。
EVの普及により、クルマが排出ガスゼロとなれば、あとは各国政府が発電での排出ゼロを実行すれば、一気に排出ゼロが行き渡り、クルマのみならず、スマートフォンも、冷蔵庫も、電子レンジも、あらゆる家庭電化製品が排出ゼロとなる。
電源構成が国によって異なるので、EVを普及させても効果はまちまちだなどという論旨は、無意味である。家庭で使う道具が電化してきたのと同じように、クルマも電化すれば、国のエネルギー政策もぼんやりしてはいられない。消費者が、国のエネルギー政策を正しい方向へ促すことこそ、民意を得たエネルギー施策になる。
もはや、脱炭素(カーボンニュートラル)だけでは済まない状況にまで切迫していることを知るべきだ。そして世界を挙げて、排出ゼロ(ゼロエミッション)に挑戦することこそ、SDGs(持続的な開発目標)なのである。