軽四輪乗用車のみだとスズキがトップ!
軽自動車はボディサイズやエンジン排気量などの規格が厳しいので、デザインなど見た目で差をつけることになり、購入する側もパフォーマンスなどは気にしない人が多い。ブランドどころか、車名も意識しない人もいるようで、たとえば“たまたま買ったクルマがスペーシア”ということもあるようだ。
そのようななかで、「ウチは軽自動車販売ナンバー1ブランドですよ」とか、「このクルマは軽自動車のなかで一番売れています」というセールストークはかなり効果があるようで、登録車以上に“ナンバー1争い”が積極的に展開されている。そのため平時には、ディーラー名義などで新車の在庫にナンバープレートをつける“自社届け出”により販売台数の“積み増し”を行い、それが“届け出済み未使用軽中古車”として、中古車市場に大量放出されているのである。
興味深いのは、軽四輪乗用車での2021年1月から11月の累計販売では、スズキが約1万台差をつけてトップとなっていること。2021年11月までの各単月の軽四輪乗用車の販売台数をみると、6月と7月以外はスズキがトップとなっている。つまり、軽四輪乗用車販売台数の2021年単月販売台数ではダイハツの“負け越し”がすでに確定しているのである。一方で軽四輪貨物の販売台数ではダイハツがすべての月で圧勝しており、ダイハツは2021暦年締め年間販売台数でトップとなれば、まさに商用車に支えられたことになる。
軽自動車のなかでは、スズキとダイハツが今回のサプライチェーンの混乱の影響がより大きかったとされているが、そのなかでもダイハツはとくに影響を受けているようだとは業界ではもっぱらの話となっている。届け出済み未使用軽中古車の展示場では、ここのところダイハツの車両をめっきり見かけなくなった。余力があるとされる日産や三菱の車両が展示場では目立っている。
2022年になると、日産・三菱連合から軽規格BEV(バッテリー電気自動車)が発売予定となっている。そして、ダイハツからはe-SMART(シリーズHEV)を搭載した軽自動車がデビューするとの情報もある。軽自動車でのこのような電動モデルの積極的導入が販売ランキングにどのような影響を与えていくのかも興味深くウォッチしていきたい。