この記事をまとめると
■自動車には、サプライヤーが製造する部品も含めると3万点の部品が使用されている
■サプライヤーは自動車メーカーの最終組立て工場の近隣にある場合が多い
■クルマの電動化が進むと新しいサプライヤーが増えることが予想される
クルマを構成する部品を作るメーカーもある
自動車には約3万点の部品が使われている。そんな表現でクルマの産業構造を紹介する場合がある。部品の点数は、車種によっても当然違うし、今後はEV(電気自動車)を筆頭とするパワートレインの電動化が進むと、部品点数は一気に減少することも予想される。
自動車部品という分野には当然、さまざまなメーカーが存在する。一般的にはサプライヤーと呼ばれる企業だ。
自動車メーカーは多種多様な部品メーカーに部品を発注し、最終組み立てラインがある生産施設に部品を納入してもらう。そうした大手部品メーカーは、自動車産業界ではティア1と呼ばれる。ティア1はティア2に、またティア2はティア3に部品を発注するという、自動車メーカーをトップとしたピラミッド構造での調達を行っている。
つまり、3万点の自動車部品とは、こうしたさまざまな企業が製造する部品の総数を指す。そのため、一般的にはあまり馴染みのない企業が、じつはある部品で日本国内シェアトップといったケースも珍しくない。また、部品を加工するという分野でもティア2やティア3は存在する。例えば、部品を加工する際にできる突起物であるバリを研磨するティア3がいる。