生き残るには部品メーカーも合併によるメガサプライヤー化が必要
そんな自動車部品メーカーの所在地は、当然のことだが自動車メーカーの最終組立て工場の近隣にある場合が多い。代表的な自動車産業集積地域は、トヨタがある中京地域だ。愛知県東部から静岡県西部にかけてティア1が多い。たとえば、電子制御系部品や燃料系機器部品を扱うデンソー、トランスミッションを扱うアイシン、シートや内外装部品を扱うトヨタ紡織、そしてセキュリティシステム等を扱う東海理化などがある。
ホンダ系のサプライヤーは、埼玉県や神奈川県などに多い。主要ティア1だった、インジェクターやハイブリッド用パワーコントローラー等を製造するケーヒン、ショックアブソーバーのショーワ、そしてブレーキ関連の日信工業は、2020年、日立オートモーティブシステムズと合併して、日立アステモとして新たなるスタートを切った。
また、マツダの本拠地である広島県内にもティア1やティア2が数多くある。マツダは広島地場企業との共存を重要視しており、マツダ向け専門の部品メーカーも珍しくない。
少し視点を変えると、カーナビの地図データ関連では、ゼンリンは北九州、またインクリメントPは東京駒込に本拠地がある。
今後、自動車産業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)がさらに進むと、これまでにない新しいサプライヤーが増えていくことだろう。