ライバルの存在が特別仕様車を新たに誕生させるイタチごっこ
セレナがXVエアロを設定した背景には、ライバル車の動向がある。まずヴォクシーとノアは、2022年1月13日に次期型へフルモデルチェンジされ(エスクァイアは廃止)、現時点では従来型を大幅値引きで販売している。売れ筋になるヴォクシーの特別仕様車、ZS煌めきIIIの価格は290万9500円(8人乗り)だから、セレナはこれを下まわる289万3000円で、特別仕様車のXVエアロを投入した。
※写真は現行モデル
ステップワゴンも2022年にフルモデルチェンジを控える。新型に切り替わるヴォクシー&ノアに対抗するため、ステップワゴンは、近々ティザーキャンペーンを開始する予定だ。
このように2022年になると、セレナにとって宿敵のヴォクシー&ノア、ステップワゴンが立て続けにフルモデルチェンジを行う。販売面で不利になることは確実だから、ハイウェイスターに加えて、標準ボディにエアロパーツを割安に装着するXVエアロも加えるわけだ。今後のセレナはXVエアロを軸に、従来以上に買い得度をアピールしていく。
以上のように特別仕様車は、その車種の売れ行きに不安な要素が生じた時に設定される。たとえばタントは2019年7月に現行型へフルモデルチェンジしたが、売れ行きが伸び悩み、発売直後でもN-BOXの届け出台数を抜けなかった。
そこで同年12月には、メーカーオプションを追加した特別仕様車を、ベースのグレードと同じ価格で(つまり価格を高めずに)設定している。割安な特別仕様車を設定して、販売をテコ入れしようと考えた。先日発表されたばかりではあるが、N-BOXのように好調に売られている車種に、特別仕様車を用意することは珍しいのだ。特別仕様車は、人気のバロメーターと考えて良いだろう。