この記事をまとめると
■業界歴25年のまるも亜希子さんがいいクルマの条件を伝授
■買ってからでは遅い、確認必須の装備をピックアップ
■試せる機能は購入前に店頭で試すべし
クルマは見た目だけじゃなくて中身が大事!
人生のうちで家の次に高い買い物と言われているクルマですから、買うときにはなるべく同じ金額でも「いいクルマ」を買いたいと思うのが正直なところですよね。ここで言う「いいクルマ」とは、パワーがあるとか走りがいいとかではなく、「丁寧で真面目なモノづくり」で仕上げられ、買ってから嫌な思いをしないクルマという意味です。
でも販売店で実車を見たり、ちょこっと試乗したりしただけでは、なかなか本当に「いいクルマ」なのかどうかはわかりにくいもの。セールスマンはいいところを強調してくるし、とくにデザインで一目惚れをした場合などは、完全にハートの目線になっているので、ダメなところは見えていないというのもあるかもしれません。なので今回は、迷った時は「ココ」を見れば、いいクルマの可能性が高い! というポイントを、業界歴25年の経験と知見を踏まえ、独断と偏見でピックアップしたいと思います。
1)ドアを閉めた時の音
1つ目は、ドアを閉めた時の音です。ドタバタとした比較的高い音がしたり、ビビリ音が長く残る場合などは、走行中の剛性感があまり期待できないクルマが多い印象です。
その点、閉めた時に空気が逃げるようなボホッという感じの低い音がしたり、ドアがしまった衝撃音が一瞬で収まるような感覚があるクルマは、走行中や乗り心地の上質感も高い確率が多い印象です。
2)ボンネットを支えるダンパーの有無
2つ目は、ボンネットを開けてみるのもひとつの手です。コンパクトカーなど価格帯の低いクルマは、ボンネットを支えるストッパー、通称「つっぱり棒」が1本あるのみで、それもかなり華奢で頼りない棒を使っている場合が多いのですが、中にはダンパーがついていて、棒を穴に引っ掛けなくてもボンネットが開いた状態を保てるようになっているクルマも。
スポーツ系のクルマなど、よくオイルチェックなどをすることが想定されるクルマには多いのですが、こうした、外からは見えないのでコストダウンしがちな部分にも、ユーザーの使い勝手を考えてしっかりとコストをかけているクルマは、つまり「丁寧に真面目に作っているクルマ」と想定できますよね。
また、エンジンカバーがついている方が見た目もよく、いいクルマと感じやすいですが、経験上、その有無はあまり比例しません。あえて熱効率などを考えてカバーはいらない、といった理由でカバーをしていないクルマもあります。
3)空気圧の数値
3つ目は、指定空気圧を確認して、あまりにも高い数値が指定されているクルマは要チェックということです。指定空気圧は、運転席のドアを開けるとその開口部などに貼ってあったり、給油口を開けると表示されていたりする場合が多いですが、それがなければ取扱説明書を見るとわかります。一般的に、コンパクトカーなどは220kPa前後、ミニバンやSUVなどは240kPa前後と空気圧が指定されている場合が多いのですが、なかには軽自動車やコンパクトカーなのに270kPaほどと指定されていたり、ビックリするほど高い数値のクルマもあります。
欧州規格のタイヤを装着していたり、燃費向上を狙って転がり抵抗を抑えたりしたい場合などに高めの数値を指定することが多いのですが、そうすると高速走行時の安定感が劣り、乗り心地も硬めになってしまう傾向が。また、タイヤを別の銘柄に変えるとガラリと走行フィールが変わってしまうことも考えられます。