踏み間違い事故は年間6〜7千件も起きている! 高齢者はなぜアクセルとブレーキを踏み間違えるのか? (2/2ページ)

ドライビングポジションも重要

 トヨタにはその足の開きを補正する「安心ドライブサポートクッション」という製品を出しており、これを使えば太ももを外側から優しく支え、足先を自然にブレーキに寄せることが出来るという。高齢者はこうした製品を活用するといいだろう。

 もちろんバックモニターを使えば、体をひねって後ろを見る回数も減らせるし、コーナーセンサーや低速衝突被害軽減ブレーキ付きのサポカーも非常に有効。

 もうひとつ、駐車場などで切り返しが必要になり、何度もアクセルとブレーキの踏み替えを繰り返しているうちに、混乱して踏み間違えるケースも多い。

 これについては、切り返しの際、前進も後進も基本的にクリープ現象を利用し、足はブレーキに軽く乗せたまま動かせば、かなりリスクが軽減する。

 あとはサンダルやヒール、ブーツなど、運転に適さない履き物は避け、スニーカーなどペダル操作のやりやすい靴を選ぶのも重要。雨の日は靴底も滑りやすいので要注意。

 あとはドライビングポジション。乗降性を優先し、シートを後ろに下げ気味にして、浅く腰掛けている人が多いがこれはいただけない。シートに深く腰掛け、ブレーキを一番奥まで踏んだときでも、膝裏が軽く曲がっている位置に調整。左足はつねにフットレストにおいておくことと、足の位置の基準ができるので、左足を遊ばせておかないのも肝心。

 買い換えなどで、まだ乗り慣れていないクルマに乗るときは、走り出す前にアクセルとブレーキを何度も踏んで、足にペダルの位置を覚えさせる。素振りのようにたくさんこなしておくことがけっこう重要。

 できれば後付けの急発進防止装置なども積極的に取り付けておきたいところだ(自治体からの補助金も使える)。

 さらにパニックになって踏み間違えるという例もたくさんあるが、これについては思い込み運転を避け、急がば回れの精神で、落ち着いて何度も周囲を確認しながら運転するクセをつけるしかない。視力の衰えも認知判断に影響するので、最低でも年に一度は視力検査を行い、運転に合ったメガネなどを作っておくことを忘れずに。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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