売れに売れたり5000万台! ニッポンの宝カローラをマニアライターが語り尽くす (2/2ページ)

長く乗り続けられるクルマ作りが世界でもウケた

 最近アフガニスタン関連のニュースが多いが、現地からの映像を見ていると首都カブール市内では、日本から中古車として輸出されたと思われる7代目が、セダンだけでなくバンやワゴンも多く走り回っている。7代目はバブル経済期に開発されたモデルでデビューから30年が経っている。セルシオ並みのソフトパッドを採用したダッシュボード、ドライバーオリエンテッド(ドライバー側に傾いている)デザインのセンターコンソールなど、とにかくカローラの枠を越えた高質感溢れるものとなり、“やりすぎカローラ”といった異名までとるようになった。

※画像はSE-G

 我が家でも紺メタのSE-L(5速MT/ちなみに我が家で所有したカローラはすべてMT[個人所有を除く])。じつはこのSE-Lグレードはデビュー後すぐに“SE Limited”に変更されている。当時ディーラーで聞いたところでは、メルセデス・ベンツサイドからクレームがきたためとの説明を受けたのを記憶している。6代目に比べて静粛性が高まり、5速MTの操作性が向上したのをいまも覚えている。

 その7代目がいまも多くアフガニスタンで現役にて活躍している。かなり手を入れているようで、ホットロッドみたいに車高が上がっているものが多いみたいだが、大切に乗り続けている様子をみるとカローラフリークとしては嬉しくなってしまう。数年前にタイの首都バンコクへ出張に行った時には、ある豪邸の門が開いていたのでのぞくと、フルノーマルでピカピカの3代目が置いてあり驚いてしまったこともある。新興国では時おり大切に歴代カローラが乗り続けられているシーンに遭遇し胸が熱くなる時がある。

 日本でも筆者の近所では、兄弟車のスプリンターながら6代目後期モデルでスーパーホワイトのボディカラーとなるSEリミテッドが現役で走っているところをよく見かける。後期型は1989年にデビューしているので、すでに32年が経とうとしている。

 新車としてよく売れるだけでなく、長いこと乗り続けることができたり、30年前のモデルが国を渡っていまなお使われるほど耐久性に優れるクルマ作りが行われていることも、高い信頼性を与え世界累計販売5000台を支えているといっていいだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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