この記事をまとめると
■平均すると全国で毎日10件ほどの車両火災が起っている
■なぜクルマには消化器が搭載されないのか
■家庭用のものが使えるのかについても解説する
2019年の車両火災は3585件
燃料やリチウムイオン電池といった大きなエネルギーを積んでいるクルマは、いったん火がつくと一気に全焼してしまうケースが多い。燃え盛る車両の様子をニュース映像などで見かけることも多いだろう。
ちなみに、令和2年消防白書によると、2019年におきた車両火災は3585件となっている。前年比で75件減少するなど減少傾向にはあるが、平均すると全国で毎日10件ほどの車両火災が起っていることになる。
同白書によれば車両火災の主な原因は、以下のように整理されている。
排気管:17.1%
機関内配線:9.2%
放火:7.4%
電気機器:6.6%
たばこ:4.7%
不明・その他:55.0%
放火の中には自殺も含んでいるのだが、それにしても排気管(マフラー)に可燃物が接触して火災となってしまうケースが非常に多いことが見て取れる。
いずれにしても、車両火災の多くはアクション映画に出てくるような爆発するようなものは少ない。ボヤのような状態からじわじわと燃え広がるようにして、手の施しようがない状態になっていくものだ。
そうであれば、消火器を積んでおけば初期に鎮火でき、クルマを失うような全焼にはならない。なぜ、クルマには消火器が標準装備されていないのだろうか。