この記事をまとめると
■日本でもカーボンニュートラル燃料の活用に関するメーカーの動きが活発になってきた
■カーボンニュートラル燃料には水素とバイオマス燃料がある
■どちらがエコで有望なのかは社会事情によって異なるために一概にいい切れない
国産メーカーもいよいよカーボンニュートラルに本腰
なんだか最近、世の中は一気に電動化だの、EVだのと騒がしくなってきた。欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)が強く推進する、欧州グリーンディール政策の影響がグローバルに広がっている印象がある。
そうした中、日本では水素などカーボンニュートラル燃料の活用に関するメーカーの動きが活発になってきた。
2021年11月に岡山国際サーキットで開催されたスーパー耐久では、水素燃料マシンで参戦するモリゾウことトヨタの豊田章男社長を中心に、マツダとスバルの両社長も会見してカーボンニュートラル燃料でのスーパー耐久参戦の意向を示した。また、二輪メーカーからはヤマハとカワサキが参加して水素燃料の研究開発を進めることを明らかにした。
日本メーカー各社が水素など、再生エネルギー由来の燃料に注目しているのは、現在使用されているガソリン車などの内燃機関の基本形態を使いながらも、カーボンニュートラルを目指すことが可能だという点だ。
EVの場合、駆動用の蓄電池にためる電気を作るために、たとえば日本の場合、現状では原油や天然ガスなど化石燃料由来の原料を活用した火力発電が主な発電スタイルであるため、原料から車両が廃棄されるまでの、クルマの一生で見た場合、EVが必ずしも最適なエコではないのではないか、という指摘が各方面からある。