火花が散るのはタイタニウムを使っていることの証
田中氏によれば「タイタニウムは軽くて粘りがあるので、スキッドブロックの材質としては良好だと思うんですけど、私のかってな想像としては火花がキレイに散るから、タイタニウムを使ってるんだと思います。機械工学を勉強した人は火花試験をやるので知っていると思うんですけど、鉄だとあんなに火花が散らない。タイタニウムなら、キレイに火花が散るので、材質を選択した理由は見栄えも大きいんじゃないかな(笑)」とのことだ。
ちなみに、スーパーGTの富士ラウンドで火花が見えるポイントとしては、ヘアピンと100Rとなっているので、現地で観戦する際はチェックしておきたい。
また、火花ではないが、火=ファイヤーの繋がりで、マフラーから噴出するアフターファイヤーについても田中氏に解説してもらうと、「エンジンの燃焼室で燃えなかったガスがエキゾーストを通って外部に出てくるんですけど、その時に大気に含まれている空気と混ざって火が出ているという現象です」と語る。
市販モデルにおいて最近はあまり見かけなくなったが、グループA車両の三菱ランサーやスバル・インプレッサなど昔のターボ車両でしばしば見かけていた現象で、田中氏によれば「ターボ車両だとアンチラグといって、アクセルを戻してもガソリンを吹いてタービンの回転を落とさない制御があって、GTカーもその制御を採用している。その場合、燃え残った生ガスが大気中に出る瞬間に火が付くんですよね」とのことだ。
ちなみにアフターファイヤーで車両火災になるリスクについては、「エキゾーストがカウルの内側とかにあると火が付くことはありえるけれど、そんな間抜けな設計になっていないので大丈夫です」と田中氏。
というわけで、次回、スーパーGTを観戦する機会があったら、火花とともにアフターファイヤーにも注目したいものだ。