前年比で80%まで回復も「納期遅延」は解消せず! まだまだ続く新車販売の混迷 (2/2ページ)

新年度明けは再び厳しい状況になるという見解も

 そもそも納期の早さと、圧倒的なリセールバリューの良さで爆発的ヒットとなっているアルファードは、3カ月も見ておけば納車可能となっているそうだ。ちなみに、1年落ちのアルファードを中古車オークションに出品したところ、2021年夏ごろに出そうとした時のかなり確かな相場予想に対し50万円アップしたとのことである。プリウスαでも50万円ほど下取り査定額が以前よりアップしたとの話も聞いているので、高年式人気モデルはいまが売り時ともいえるだろう。

 現場のセールスマンによると、「われわれ向けにはザックリした納車予定というものがメーカーから伝えられますが、新しい変異株が猛威をふるおうとしていることもあり、お客様には相変わらずはっきりしたお答えができないのが現状です」と語ってくれた。

 一部メーカーでは、工場稼働率を100%や120%に回復させようとしている。そして仮にこの目標が達成されとしても、今度は全国へ配車するための陸送トラックなどの手配がボトルネックになり、工場周辺が完成車の山になりかねないと不安視する話もある。

 現状ではすでに、人気車については2021事業年度内に納車が間に合う車両はほぼないとの話もある。最近になってようやくある店舗で受注第一号となったトヨタ・カローラクロスHEV(ハイブリッド車)が納車になったとのこと(納車が全然進んでいない)。

 たとえ、生産体制が回復したとしても、多大なバックオーダーを抱えている現状では、まだまだ納車までには時間を要する事態は続きそうだ。「いまのようになる前は、車検有効期限3カ月前のお客様をメインに販売促進をしてきました。人気があって納車に時間のかかる車種をご希望のお客様がいらしたので、余裕を持たせて車検有効期限半年前となる2021年5月に注文をいただいたのですが、今回の騒ぎもあり先月(11月)車検切れ寸前に納車となりました。車検有効期間が半年以上ないと、今の世の中は何があるがわからないので販売促進もままなりません」とは前出セールスマン。

「メーカーの生産回復も一時的なもので、決算を意識して2022年3月の事業年度末ぐらいまでで、新年度明け直後は再び厳しい状況になるのではないか」と見る向きもある。とにかく状況はいまだ不透明な状況なので、販売現場で最新の情報をアップデートしながら、余裕をもって商談を進めたほうが良さそうだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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