エンジンオイルは酸化でも傷む!
そして意外に傷んでしまうのがエンジンオイルなどの油脂類だ。一般にオイルは走行距離が交換の目安となっているので、走っていなければ交換不要と思ってしまうかもしれないが、密閉されているわけではないので大気中の酸素によって酸化、すなわち傷んでしまう。
また、あまりに長期間置いておくと、オイルが変質してしまうこともある。同様のことはガソリンなどの燃料にもいえる。長期的に動かさないときにはガソリン満タンにしておくという話があるのはタンク内の空気量を可能な限り減らしておくという先人の知恵だ。
さて意外に長期保管に強いのがバッテリーだ。かつては1カ月くらい放置しただけでバッテリーがアガってしまうことも珍しくなかったが、いまどきのシールドバッテリーであれば半年くらいは放置していても問題なくエンジンがかかってしまうものだ。
それでも後付けセキュリティなどで待機電力が大きくなっているとバッテリーへの負担は大きく、それほど長期ではない放置であってもバッテリーがアガってしまうことはある。最近のクルマではバッテリーがダメになってしまうとドアロックさえ解除できず、さまざまな電装品の設定をイチからやり直さなくてはいけなくなるので、そのあたりも面倒だ。
最後に気を付けたいポイントとしてお伝えしたいのがワイパーのゴムだ。タイヤのところでも触れたようにゴム類は紫外線で傷みやすい。とくにワイパーゴムは柔らかい素材ということもあって、知らぬ間に千切れてしまっていたりする。
では、千切れたワイパーに気付かず動かすとどうなってしまうのか。金属パーツが直接ガラス表面を傷つけることになる。とくにリヤワイパーについては気をつけて目視しないと気付きづらい部分なので、久しぶりに動かすというときにはワイパーゴムのコンディションを確認するようにしたい。
オドメーターが小さい数字であるほどクルマの価値は高いと思いがちだが、コンディションを考えると適度に動かしているほうがいい。趣味的に所有しているというクルマであっても、たまにはエンジンをかけ適度に動かしてやるほうが、結果的には愛車を大事にしているといえるのだ。