この記事をまとめると
■中古車には「納屋モノ」という言葉があるように、あまり動かしていない個体は重宝される
■しかしクルマは乗らないからこそ劣化する箇所も存在
■不動車のコンディションに影響が出やすいパーツを解説する
置きっぱなしはタイヤの変形を呼ぶ
中古車の世界では「納屋モノ」という言葉がある。納屋や倉庫にしまわれて忘れられていたいようなレアな個体を指す言葉で、多くの場合で走行距離もほとんど伸びていないようなことが多いが、だからといって新車同然のコンディションかといえばそうではない。
誰も触っていないとしても、埃を被ってしまっている。場合によっては塗装表面が傷んでしまっていることもあるし、各部のオイルは下に落ちている状態だから、動かすためにはエンジンやトランスミッションのフルオーバーホールが必要だったりする。つまり、大事にしまっておいたからといってクルマは新車の状態を維持するわけではない。
そこまで極端な話でなくとも、趣味で所有しているクルマでは半年くらい動かさないでいるなんて話を聞くことも珍しくない。はたして、そうしたクルマのコンディションはどのように傷んでいくのだろうか。
不動状態で長期保管する場合、まず傷みやすいのはタイヤだ。
外置きであれば紫外線などによってゴムが劣化していくし、屋内保管であってもクルマを動かさないでいると、タイヤの特定の部分がつぶれた状態で維持されるため、ゴムに癖がついてしまいタイヤの一部がフラット気味になってしまうことがある。ましてエア圧をチェックしていないと少しずつ空気が抜けていくので、タイヤの変形を呼びやすい。
さらにサスペンションについてもずっと動かないでいるのはゴムの変形や可動部の錆などを生んでしまう。人間も起き抜けにいきなり運動すると怪我をしやすい、長らく不動状態だったクルマを動かす際には、まずは足もとからゆっくりとなじませたい。