日本で消えたクルマも海外では主力車種として健在
こうした流れが2010年代以降には、北米でいうコンパクトSUV市場にも該当するようになってきた。C/Dセグメントからの事実上は派生車というイメージだ。それが、「RAV4」と「CR-V」である。
この流れに、日産は「ローグ(日本でのエクストレイル)」、またマツダは「CX-5」と「CX-30」で対抗している状況だ。またスバルでは、2000年代後半から北米市場シフトを一気に進めたことで、「フォレスター」「アウトバック」の販売台数が、日本市場と比べると圧倒的な急成長を見せている。
中国市場でも、日本とは違ったクルマが数多く売れてきた。
たとえば、日産の小型セダン「シルフィ」。日産は中国市場への本格参入時期が他の日系メーカーより早く、地場メーカーとも東風汽車のみと合弁事業を展開しており、中国市場の声をしっかり把握した上で、ベストセラーを生み出した来た。その象徴が「シルフィ」だ。主力車種ということもあり、「シルフィEV」も出た。
同じく中国では、マツダ「アテンザ」が、なんと3世代に渡って新車を同時販売していた時期がある。欧州では、スズキ「SX-4」はハンガリーのマジャールスズキで製造が始まり、欧州で根強い人気を博した。日本では5ドアとセダンが販売されたが、市場のニーズをマッチすることが難しく、販売台数が伸びなかった。
そのほかにも、市場の大きな北米を念頭に置いたり、また2000年代後半からの新興国における自動車市場拡大を考慮した、日本より海外市場を優先モデルはさまざま存在する。