ニッポンのファンは「過度な期待」は禁物! アメリカで復活する「インテグラ」の「正統後継」じゃない立ち位置 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■米国のアキュラから販売されるインテグラの詳細が発表された

■5ドアクーペという意外な形で登場し、1.5リッターターボと6速MTを搭載予定

■今までのインテグラをオマージュしており、シビックの兄弟車的な立ち位置になる模様

なんと5ドアで復活! 2ドアクーペはやっぱり売れないのか?

 アメリカで「インテグラ」が復活した。インテグラといえばタイプRというイメージが強いホンダファンからすると、インテグラ復活の第一報が伝わった段階から、すわ、日本での登場はいつになるのかと盛り上がっていた。

 だが、いざプロトタイプが公開され、それが5ドアハッチバックスタイル(アメリカではクーペライクな5ドアリフトバックと表現されている)だとわかるとインテグラ復活を願う声は小さくなったように感じる。

 そもそも、アメリカで復活するというインテグラは、ホンダではなく「アキュラ」ブランドでの話だ。アキュラとはホンダのプレミアムブランドであり、新生インテグラのフロントマスクも、その特徴的なフロントグリル形状やジュエルアイと呼ばれるLEDヘッドライトなど、完全にアキュラ共通の顔となっている。

 そして、プレミアムブランドにおける売れ筋を考えると、Cセグメントに分類されるであろう新生インテグラが5ドアクーペになるのは自然といえる。むしろ、このタイミングで3ドアクーペ的なスタイルを復活させるほうが冒険であり、マーケティング的には理解しがたいとなるだろう。

 インテグラという車名からタイプRを連想するユーザー層にとって、印象深いモデルはDC2型、DC5型であろう。これらはいずれも3ドアクーペボディであり、それをインテグラの記号性として求める感情があることはホンダも重々承知していることだろう。

 その上で5ドアクーペとしてインテグラを蘇らせたということは、「アキュラ・インテグラ」がターゲットとしているユーザー層は、かつてのインテグラに強い思いを持つ年齢層のファンではなく、プレミアムブランドから愛車を選ぶような、比較的若い準富裕層あたりをメインターゲットにしていると考えることができる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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