限りある居住スペースを上手に使うのはホンダならでは!
3)ホンダ・フリード
5ナンバーサイズのコンパクトカーにして、後席居住空間のゆとりもさることながら、ラゲッジルームの大容量、積載性で選ぶなら、コンパクトミニバンのホンダ・フリードから3列目席を取り払った大容量コンパクトワゴンのホンダ・フリード+だろう。
リヤ両側スライドドア、フラットフロアを備えた後席の居住空間は頭上に220mm、膝まわりに240mmと、ソリオやルーミー/トールほどではないにしても、大人が足をゆったり組めるほどのスペースがあるのだ。しかも、上下2段で使うこともできるラゲッジスペースは、奥行き1035mm、幅1270mm(上段)/670mm(下段)、そして天井高1360mm(下段)/975mm(上)段と、それこそ車中泊も余裕でできる抜群の広さ、容量、使い勝手を備えているのだ。HVモデルを選べば、燃費はもちろん、フル乗車時の動力性能にも不満がないはずである。
4)ホンダ・シャトル
5ナンバーサイズのコンパクトなクルマで、後席が広く、フル乗車しやすく、また、ラゲッジスペースの容量もたっぷり……という3台を紹介してきたものの、じつは3台とも全高が高く、立体駐車場で全高制限が1550mmというところでは入庫は不可。いつも利用する駐車場がそんな立体駐車場というなら、切り札になりうるクルマがある。それはホンダ・シャトル。先代フィットベースながら、5ナンバーサイズの本格ステーションワゴンであり、全高1545mm(FF)と、運転のしやすさと立体駐車場の入庫容易性、そしてワゴンならではの荷物の積載性が光る1台だ。
ホンダ独創のセンタータンクレイアウトの採用による室内空間の広さはもちろん、シートアレンジ性の良さにも定評がある。
フラットフロアの後席居住空間は、シート幅が1270mmとたっぷり(ソリオ1240mm)。低全高だから頭上に150mmはともかくとして、膝まわり空間は250mmと大型セダン並みにあるからゆったり。フロア中央に僅かな出っ張り(トンネル)はあるものの、中央席の乗員の足もとに影響するほどではない。むしろ、後席下が空洞になっているため、足引き性のよさ、足の置き場の自由度があり、立ち上がりやすさ=降車のしやすさにも直結するのである。
ステーションワゴンだからこそ注目したいラゲッジスペースは開口部地上高が540mmと世界のステーションワゴンのなかで特別に低く、重い荷物の出し入れはラクラク。フロアは幅970~1500mm、奥行き955mm、最小天井高835mmと十二分。ワゴンならではの積載力を発揮してくれる。床下にも収納スペースがあり(HVよりガソリン車のほうが大容量)、普段使わないものの収納にぴったり。
今回の趣旨とは異なるものの、後席をごく低くフラットに格納すれば、拡大したラゲッジルームのフロア長は1770mmにも達し(最大荷室長は1840mm)、長さのある荷物の積載はもちろん、身長180cm程度までの人なら(裏技として、後席ヘッドレストを逆付けすると枕分、フロアが長く使える)真っすぐに横になれるのだからもう万能である。