この記事をまとめると
■日本ではハイパフォーマンスEVを販売しているメーカーはない
■EVのシステム自体はスポーツカー向きであり、日本でも作ること自体は可能だろう
■利益や環境への配慮を考えると日本の自動車メーカーでは扱いづらい分野である
環境性能重視に思われがちなEVはスポーツカーと相性ピッタリ
EV(電気自動車)は走りを犠牲にしたエコカーというイメージを持っているならば、それは間違いだ。瞬時に最大トルクを出せ、また駆動力を微細にコントロールできる電動パワートレインは、その使い方によってはハイパフォーマンスを存分に感じられるよう仕上げることもできる。
その象徴ともいえるのがポルシェ・タイカンだろう。世界的なスポーツカーブランドであるポルシェが生み出したEVは、ベーシックグレードでもローンチコントロール使用時に300kW(408馬力)を発生。ハイパフォーマンスグレードである「ターボS」では2基のモーターから合計560kW(761馬力)もの出力を発生、0‐100km/hタイムは2.8秒というスーパースポーツ並の加速性能を誇っている。
そのほか世界的にハイパフォーマンスなEVを数台~100台程度の規模で生み出そうというベンチャーは数多く誕生している。かつて日本でも慶應義塾大学の由来する8輪インホイールモーター搭載の「エリーカ」というハイパフォーマンスEVがナンバーをつけて市販目前までいったことがあった。日本にもそうした動きはあったのだ。