呼称の変化でスマートなイメージになることもあった
4)ベンツ? メルセデス?
故 徳大寺有恒先生は、「メルツェデス」と表記されていたが、一般的にはベンツの車は「ベンツ」と呼ばれているはず。
しかし、F1などのモータースポーツでは、「ベンツ」といわず「メルセデス」と呼ぶ例が多い。
1988年にWSPCで活躍していたザウバーと組んで、チームをワークス化したときに、「チーム・ザウバー・メルセデス」を名乗ったのが原点で、そのザウバー・メルセデスは、1989年のル・マンで見事優勝している。
5)タイレル → ティレル
今年もレッドブル ホンダと熾烈なチャンピオン争いを繰り広げ、現行のハイブリッドPUになってからは2014年から連続でタイトルを確得し続けているメルセデスAMG F1。このチームのルーツを溯っていくと、メルセデスAMG F1→ブラウンGP→ホンダF1→B・A・R、そしてティレルにたどり着く。
ティレルというと、6輪のF1マシン、P34が有名だが、このマシンは「タイレル」フォードP34と呼ばれていた。これは1976年の最終戦、「F1世界選手権イン・ジャパン」参戦した「P34」に、「たいれる」とひらがなのマーキングがあったため。
英語的には、”ティレル”の方が本来に近い発音で、1990年に中嶋悟がチームに加入する頃には、「ティレル」が定着していた。
6)その他
車名ではないが、アイルトン・セナもF3時代は「A・S・ダ・シルバ」と表記されていたし、ネルソン・ピケも、「サーキットの狼」には、「ネルソン・ピケット」と書いてあった。セバスチャン・ベッテルのことも「ヘッテル」と呼ぶ人もいるし……。
外国の名称を、日本語で表記するのは難しいが、法人などが設立されて商標登録されると、それが正式名称になり、統一されるのがこれまでの流れだ。