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パワーが上なのに燃費も上という例も! 排気量も気筒数も同じなのにクルマの燃費が異なる理由 (2/2ページ)

パワーが上なのに燃費も上という例も! 排気量も気筒数も同じなのにクルマの燃費が異なる理由

この記事をまとめると

■似たようなスペックのエンジン同士で燃費が結構異なるケースがある

■パワーが出ていて燃費も良いエンジンは熱効率が良い証

■まだまだガソリンエンジンには伸び代があると考えられる

似たようなクルマでも燃費が異なる謎は設計にあり

 燃費にはエンジンはもちろん、車重や空力、タイヤ、駆動方式などいろいろな要素が絡んでいて、エンジン単体で比較することは難しいが、それでも同じ排気量、同じ気筒数、同じようなパワーでもけっこう差がついていると、なにが影響しているのか気になるところ。

 たとえば、1600ccクラスでいえば、ホンダのシビックタイプR(EK9)に搭載された傑作エンジン「B16B」は、185馬力もあるのに燃費も13.6km/Lとハイスペック。

 同じ時期に日産のサニー(VZ-R)に積まれたSR16VE型エンジンは、175馬力だったのに燃費は11.8km/Lと、パワーも燃費も劣っている(いずれも直列4気筒のNA)。

 また、2.5リッターターボの280馬力の直6だと、日産スカイライン=ER34のRB25DETが、10.6km/L。トヨタの1JZ-GTEを積んだJZX100チェイサーが10.2km/L。同じエンジンのJZZ30ソアラだと9.3km/Lに……。

 それぞれのエンジンを比較してみると、まず日産のSR16VEは、ボア・ストロークが86.0mm×68.7mm、ボア・ストローク比が0.80と、ショートストロークの高回転型エンジンだというのがわかる。

 それに対し、ホンダのB16Bは、ボア・ストロークが81.0mm×77.4mm、ボア・ストローク比が0.96とスクエア型に近く、実用域のトルクを出しやすい。しかもB16BはVTECなので、低速トルクと高回転高出力を両立しているのが強味。

 スポーツ走行でのハイパワーはもちろん、実燃費の良さにも定評がある。同じ1600ccのスポーツカーでも、B6エンジンを積んだNAロードスターなどは、カタログ値はともかく、実測ではパワーは100馬力ちょっと。なのに燃費は実測で10km/Lと、B16Bに大差をつけられている……。

 2.5リッターターボのRB25DETと1JZ-GTEは、どちらもボア・ストロークが86.0mm×71.7mmで、ボア・ストローク比0.83と同じスペック。圧縮比も基本は同じ(9.0)。いわゆるショートストローク型エンジンなので、あまり燃費向きのエンジンではない。

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