パワーが上なのに燃費も上という例も! 排気量も気筒数も同じなのにクルマの燃費が異なる理由 (2/2ページ)

燃費が良くてパワーもいいエンジンが熱効率の良いエンジンの証

 こうしたわかりやすいスペック以外に、エンジン単体ではどこで燃費が変わるのか? 燃費がよくても遅いエンジンでは魅力がないので、パワーと燃費が両立できる条件を考えてみると、それは一言でいうと高効率のエンジンと定義できる。それば別のいい方をすると、熱効率のいいエンジン。熱効率のいいエンジンの条件は、下記の6つと言われている。

  

・圧縮比の高いエンジン(燃焼室の小さいエンジン)

燃焼室がコンパクトだと混合気の燃焼温度と圧力を高くすることが出来る。

・燃焼室内の凹凸が少ない

燃焼室内の凹凸が少ないと、火炎速度が速くなり、燃焼室の壁から逃げる熱も最少になる。

・燃料を早く燃やせる

多穴式インジェクターなどで霧化が細かいと、燃料をより短時間で燃焼させられる。

・吸気・排気の抵抗が少ない

吸気効率、排気効率がよく、吸排気損失が少ないエンジンは熱効率がいい。

・エンジン本体の機械的損失が少ない

熱効率のうちおよそ6%は摩擦で損失している。ピストンの摺動抵抗やメタル類の摺動抵抗、動弁系のフリクションにクランクシャフトの攪拌抵抗(オイル)など、いいエンジンほどフリクションは小さい。

・補機駆動系の損失が小さい

オルタネーターやウォーターポンプ、エアコンのコンプレッサーや油圧のパワステなども燃費に影響するフリクション。熱効率のうちおよそ6%は摩擦で損失している。ピストンの摺動抵抗やメタル類の摺動抵抗、動弁系のフリクションにクランクシャフトの攪拌抵抗(オイル)など、いいエンジンほどフリクションは小さい。

 その他、部品の軽さなども大事だが、高効率を突き詰めていけば、パワーと燃費は両立できる。温暖化対策のためにEVへのシフトが加速化しているが、ガソリンエンジンだってまだまだ可能性があると思うのだが……。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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