クルマを実測したらカタログほどエンジン馬力が出ていない! でも「ウソ」じゃないメーカー公表値の謎 (2/2ページ)

カタログに記載されるのはエンジン軸出力

 まず、メーカーのカタログ値として記載される出力値だが、これはエンジン単体で出力を計測したものである。いわゆるエンジンダイナモによる計測で、冷却系や吸排気系、エアクリーナーといったエンジンを運転するのに必要な装値類は装着するものの、トランスミッションやアクスルシャフト、ブレーキローター、タイヤ&ホイールといった走行駆動系のパーツは装着せず、文字どおりエンジン単体での出力を測る方法である。

 一方、シャシーダイナモに載せた状態での計測は、エンジンが発生した力を走行駆動系のパーツを経て計測するため、駆動系での損失が生じる分だけ、エンジン単体で計測する出力値より低めの数値となってしまう。

 エンジン出力という言い方をするのであれば、エンジン単体で出力を計測するエンジンダイナモによる方式が正しいことになるが、計測のたびに車体からエンジンを降ろす方法は現実的でない。結局、シャシーダイナモによる計測が一般的な方法として使われることになる。

 メーカーがカタログ値として公表する出力値は、エンジンダイナモによるエンジン単体の測定値、それに対して駆動輪出力を計測するシャシーダイナモとでは、数値が違ってくるのは当然なのである。


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