この記事をまとめると
■いまも昔も女性をメインターゲットにしたクルマがある
■かつてはスカートを履いた女性が乗り降りしやすいモデルも存在した
■いま女性がクルマのデザインに求めるものを考察する
過去にはスカートを履いた女性が乗り降りしやすいモデルも!
軽自動車やコンパクトカーでは、メインとなるユーザーの女性比率が高いことから、メーカー側も女性が好むデザインを研究し、女性をターゲットとしたデザインや機能を採用した新型車を投入してきた経緯があります。軽自動車では、そうした女性向けデザインの先駆けとなったのが80年代のスズキ・アルトや90年代のダイハツ・オプティ、ミラジーノやミラアヴィといったモデルたち。とくに、スカートを履いた女性が乗り降りしやすいように、運転席が回転するシートを備えた2代目アルトは、インパクトが大きかったですよね。
そして2000年代に入ると、アルトラパン、ミラココア、ライフといった、さらに女性を意識したモデルが登場。思わず「カワイイ」と飛びついてしまうキャラクターグッズや、オモチャの家具みたいなテイストが目立つようになり、いわゆる「盛った」メイクをして頑張っている感満載の、わかりやすい女性向けデザインが主流になっていきます。ラパン・ココア全盛時代は約15年くらい続いたでしょうか。
そして2018年、そうした「盛り盛り」の女性向けデザインにNoを突きつけたのが、ダイハツ・ミラトコット。若い女性たちの「欲しいと思うクルマがない」という嘆きに気づいた開発者たちが、女性の趣向の変化を調査した結果、「盛り盛り」はもう主流ではなく、肩肘張らず、頑張らず、ゆるっとしてるけどオシャレだという「エフォートレス」に移行していたというのです。言ってみればそれは、「無印良品」のような感覚。確かに無印良品のファンは女性が多いですよね。
ただ、そのセンを狙って作ったはずのミラトコットも、大ヒットとはなりませんでした。現在はスライドドア車やハイトタイプが売れ筋なので、セダンタイプのミラトコットは分が悪いとはいえ、女性からの支持が厚いかというと今ひとつという状況。今現在の女性たちの声を形にしたというのに、いったいどういうことなのでしょうか。女性たちはクルマのデザインに何を求めているのでしょうか。