「スーパーカーは値が下がらない」は常識! ほかにもある「意外な」買い取り価格の高いクルマとその条件 (2/2ページ)

流通台数が少ない人気車は高値で売却できる

 高値で売却できるクルマのもっとも大切な条件は、中古車の流通台数が少なく、その割に購入を希望するユーザーが多いことだ。たとえば冒頭で取り上げたGT-Rは、2021年の1カ月平均登録台数は約60台に留まる。従って中古車の流通台数も限られるが、新車価格が高いこともあって中古車を希望するユーザーは多い。そのために中古車価格と、ユーザーから買い取る時の金額が高まった。

 また買取店によると「ランドクルーザーや商用車のハイエースは、新興国なども含めて、中古車の輸出が活発に行われている。そのために高値で買い取られる」という。中古車が海外へ輸出されるため、国内の流通台数が減り、中古車価格と買い取り額を高めたわけだ。

 とくにハイエースは「耐久性が高いこともあり、20万km以上を走った荷室がキズだらけの車両でも、流通価値は十分にある。ハイエースの買い取りを断わることはまず考えられない」とのことだ。

 唯一無二の価値を備えることも大切な条件だ。先に車名を挙げたGT-R、ランドクルーザー、S660などには、類似したクルマがない。そしてGT-Rの走行性能、ランドクルーザーの悪路走破力を海外のスーパーカーや上級SUVで得ようとすれば、価格が大幅に高まってしまう。日本車は性能が高い割に価格は安く、その意味でも中古車需要が前述の日本車に集まり、供給台数を上まわって中古車価格と買い取り額を吊り上げている。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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