スーパーチャージャーステーションはわずか37カ所のみ
おすすめポイント5つ目は、運転がスマートにできるというところ。ボディサイズはどれも大きめではあるのですが、それさえ気にならなければ、幹線道路への合流や追い越し、右折といった、これまで女性が苦手と感じることが多かった運転のシーンでも、軽自動車やコンパクトカーとは比べ物にならない強大なパワーが瞬時に出せるので、「今、加速!」と思ったらその瞬間に思い通りの加速ができるし、大量のバッテリーが敷き詰められたボディは剛性も高いので、フラフラしがちな高速走行でもガッシリとした安定感が得られます。「私、運転上手くなったかな?」と感じる女性も多いかもしれませんね。自動運転モードを作動させていなくても、常に周囲のクルマやバイクの存在を認識して、メーター内のディスプレイに表示してくれるし、車庫入れなども周囲をカメラ映像で確認できるので、安心感が高いところも女性は心強いところです。
さて、おすすめポイントをご紹介してきましたが、そんなテスラにもやっぱり弱点はあります。まず、充電。テスラは独自に充電設備「スーパーチャージャーステーション」を展開していて、ホテルやレストラン、ショッピングモールやリゾート施設などと提携して、テスラ専用で24時間営業の充電設備を持っています。現在、日本で普及する急速充電器は80%ほどが20〜30kwの出力なのに対して、2021年7月に発表されたV3スーパーチャージャーはなんと、250kwの高出力。わずか15分で約50%分の充電が完了するという驚きのスペックを持っています。
ただ、そのスーパーチャージャーステーションは2021年10月時点で、まだ全国にわずか37カ所のみ。公共の急速充電器が日本に7800カ所程度あることを考えると、100分の1にも満たないということで、ちょっと少ないですよね。テスラはCHAdeMoの急速充電器も使えるんですが、専用のアダプターが必要となり、出力は50kwまでに制限されてしまいます。今後普及してくる90kw以上の高出力のCHAdeMOには対応していないのが惜しいところ。そう考えると、外出先での充電はちょっと時間がかかり、面倒な手間がかかると言えそうです。
そしてもう1つ、サービス拠点の少なさも気になるところです。実際にメンテナンスを行うサービス拠点は全国でわずか13カ所で、うち8カ所はモバイルサービス。故障や事故の際には遠方から積載車で運ばなければならず、多額の積載車費用が発生するケースもみられます。テスラは広告を一切打たず、販売店も持たず、購入はネットで納車も非接触ということで、これまでセールスマンとのやり取りに苦手意識があったり、契約までに何度も来店が必要などの煩わしい手間がないのは嬉しいのですが、そうなるといざという時に誰を頼っていいのか、顔が見えないというのはちょっと女性には不安な面もあるのではないでしょうか。
ということで、ガソリン車もハイブリッド車も作ったことがないテスラは、クルマに対する根本的な発想からして自由奔放で、そこが私たちにとって大きな魅力です。女性にとっては、これまでのクルマにありがちだったネガ要素を排除してくれたところもあり、すっと馴染める人も多いと思います。新興メーカーならではの弱点に注意しつつ、気になる人はぜひトライしてみて欲しいと思います。