お金持ちはクルマの次は船に行く! ランボにレクサスにメルセデスまでもが「船」に手を出すワケ (2/2ページ)

アヴェンタドールやウラカンのイメージをボートに投影

 一方、ランボルギーニは、2020年6月に「テクノマール・フォー・ランボルギーニ63」を発表した。

 船体はイタリアン・シー・グループが担当。エクステリアにアヴェンタドール・ロードスター、インテリアにはウラカンのデザインイメージを取り入れている。エンジンは、独MANの12気筒ディーゼルユニットを搭載する。

 このように、自動車の高級ブランドが手掛ける超高級プレジャー船は、自動車メーカーが直接技術面でサポートしているのではなく、あくまでもブランド価値に連動した商材なのだ。

 富裕層にとっては、日頃は陸上で使っている好きな自動車ブランドの世界観をそのまま海上に持ち込みたいという願望があるようだ。

 つまり、ブランドに対するロイヤリティ(信頼度)が高いのだ。別の見方をすると、富裕層にとっては、個人所有の船とスーパーカーやラグジュアリーカーとの親和性が高いと言える。

 そのため、海外はもとより日本でも、プレジャーボートの商品見本市には、マクラーレンやベントレーなどの高級ブランドが新車展示のプロモーション活動をするケースがある。高級ブランド車の関係者によると、プレジャーボート見本市の場で「実際、購入まで至るケースは珍しくない。富裕層との接点を持つという意味で、こうした場は有効活用できる」と業界の実情を明かす。

 今後も、高級ブランドから船舶事業へのさらなる参入が予想される。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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