ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで7分4秒511を記録
さらに、718ケイマンGT4 RSは、718ケイマンGT4のPDK仕様車より35kg軽量されているのもトピックで、その車両重量はわずか1415kg。これは、ボンネットやフロントフェンダーなどのコンポーネントに使われた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)や、断熱材の量の削減、軽量カーペット、軽量ガラスのリヤウインドウ、軽量ドアパネルなどによって実現されている。
この強力なエンジンとトランスミッション、そして軽量化により、718ケイマンGT4 RSは、わずか3.4秒で静止状態から100km/hまで加速し、7速で315km/hの最高速度を実現した。
エクステリアの見どころは、なんといっても新しい固定式リアウイングだろう。スワンネック式アタッチメントとアルミニウム製ウイングサポートとなるこのリヤウイングは、WECやIMSAで活躍するGTレーシングカーのポルシェ911 RSRと同じ形状で非常に効率的。
718ケイマンに比べて車高は30mm低められ、フロントホイールアーチの目立つベント、リアディフューザーで空力的に最適化されたアンダーボディパネル、マルチ調節式フロントディフューザー、新しいフローアラウンドサイドブレード付フロントスポイラーリップなどを備える718ケイマンGT4 RSは、サーキット専用のパフォーマンスモードを使用すると、GT4よりも約25%大きなダウンフォースを発生するという。
シャシーの最適化も性能の向上に大きく貢献。ボールジョイントがシャシーをボディにしっかりと固定して、より精確でダイレクトなハンドリングを実現した。RS専用のショックアブソーバーは、スプリングとスタビライザーのレートが変更されている。
また、オプションのヴァイザッハパッケージは、GT4 RSのダイナミックなデザインをさらに引き立てるもので、フロントラゲッジコンパートメントリッド、プロセスエアインテーク、クーリングエアインテーク、エアボックスカバー、エクステリアミラーアッパートリム、リアウイングがカーボン織目模様仕上げとなるとともに、チタン製のテールパイプとロールケージが採用される。ダッシュボード上部はRace-Tex素材で装飾されており、大きな“Porsche”ロゴがリヤウインドウに組み込まれる。ヴァイザッハパッケージを選んだ場合に限り、20インチ鍛造マグネシウムホイールを追加料金で注文することも可能だ。
これらの強化により、718ケイマンGT4 RSは、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでも特筆すべき実力を発揮。20.6kmのショートバージョンのコースで7分4秒511を記録した。これは、718ケイマンGT4のタイムを23.6秒上回るものだ。
718ケイマンGT4 RSは、まさに「ドライビングプレジャー」という言葉を再定義するモデルであり、コンパクトミッドエンジンモデルの王者といえるモデルとなっている。価格は1843万円だ。