半年以上の納車待ちとなれば下取り査定額に影響も
「あるディーラーでは10万円でディーラー車検を受けてもらうそうです。そして1年以内に新車へ乗り換えてもらえれば、その10万円はキャッシュバックされるそうです。車検切れが迫っている下取り予定車への各ディーラー対応も、納期遅延車の購入では比較検討の材料となります」(事情通)。
下取り車では車検も気になるが、下取り査定額の変動も気になるところ。“多少”の納期遅延ならば、注文時の査定額がそのまま有効となるが、半年以上の納車待ちとなれば下取り査定額も大きく変わってくる。また、現段階で新車注文書を交わしたとしても、年内納車が間に合う車種は全メーカーで見てもかなり限定的なのだが、平時であって、新車の納車が年内に間に合わず、越年してしまうと、査定時に対し下取り車引き取り時には、さらに1年古くなってしまうので、1月納車など年明け早々ならまだしも、2月や3月の納車となると、さすがに下取り査定時から年越しをしてしまい、それだけ下取り車も古くなるので、再査定が行われることになるだろう。
このような時、つまり、状況によっては、注文書を交わした時点で下取り車を手放す、つまり、下取り査定額を維持するために、年内に渡して欲しいとディーラーから言ってくることもある(納車まで下取り予定車に乗っていていいというのは、あくまでディーラーの配慮によるものとなる)。また、いまのような非常事態では、新車の納車が進まないので下取り車がなかなか集まらないなか、中古車需要が高まっているので、下取りに出さず買い取り専業店に出したほうが高値で売却できる可能性がかなり高い。通勤では使わないなど、クルマがなくても日常生活に大きな支障が発生しないひとは、いまだからこそ乗っている愛車を売却するチャンスともいえるのだ。
筆者の調べでは、納車までに5年はかかるとされているランドクルーザー300では、受注時に下取り査定を行い、査定額を算出しても5年後の納車時にはたいていの下取り車は減価償却が進み、価値ゼロもしくは限りなくゼロとなるので、ランドクルーザー300の販売については、下取りは行なわず、購入者の自己責任で処分してもらうことにしているディーラーもあると聞いている。
なお、自動車保険(任意保険)は、いったんクルマを持たない時期があったとしても、それまでの等級を一定期間保留して、次のクルマへ適用することができる措置があるので、これを使えば問題はないだろう。
ローンも、ディーラーローンならば、新車が納車されるタイミングから支払いが発生するので、「新車がこないのにローンだけ払い続ける」ということはない。