この記事をまとめると
■いま新車には納期が遅れるモデルが多い
■コロナが落ち着いても納期遅延は継続すると考えられる
■納期が遅いクルマを買う際、注意すべき点について解説する
コロナが落ち着いても納期遅延は継続するだろう
ここ数年、新車の登録車では、契約したのはいいが納車まで長期間待たされる“納期遅延”が人気車を中心に目立っていた。
「当該新型車の生産が本格稼働していない、発売前での予約受注を積極化したこと、そして発売直後に人気が高くオーダーが殺到するなどして、一気にバックオーダーが積み上がることが納期遅延の大きな原因となっております(いまではなく平時の話)。しかし、計画生産が徹底されており、『オーダーが積み上がっているからといってすぐ増産』ということに踏み切るケースはほぼありません。最近は月販目標台数自体公表しないメーカーもありますが、公表していてもそれは表向きのもので(実際より少なめ)、ディーラー向けなどに、掛け値なしの真水の月販目標台数(公表値より多い)が設定されていることもあります。そのため、統計を見ると月販目標台数より多めの販売台数となっていても、それはあくまで計画生産台数をほぼトレースした販売台数ともいえるのです」(事情通)。
かつて、納車待ち半年が当たり前だったアルファードは、販売現場で聞くと、コロナ禍直前に生産ラインを増強し、その後一時はディーラーが在庫車を持つほど飛躍的に短納期となっているので、何がなんでも計画最優先というわけでもないようだ(非常時のいまでも、販売現場では半年待ちといっているので極端な納期遅延とはなっていない)。現状での納期遅延は、一部部品の供給遅延などで、「作りたくても作れない」という特殊な事情で事態がより深刻となっているが、これが平時に戻ると言っても、納期遅延傾向のモデルは残ることになるだろう。
それでは、購入意思を示して注文書を交わしたのはいいが、当該新車が納期遅延車だった場合はどのようなことに注意が必要だろうか。まずは下取り予定車の車検有効期限。
「かつては、次月にでも車検有効期限が迫っている下取り予定車で訪店してくるお客が購入意欲満々だとし『スペシャルホット客』として歓迎されていました。もちろん、車検有効期限が迫っているので、結論が早いこともあります。しかし、いまどきの平時では納期に問題がない新車であっても、契約タイミングもありますが、注文書にハンコを押してから1カ月以内で納車されることは、登録車では稀なケースといえるでしょう。短納期車といっても2カ月ほど納期を見るのが、いまでは一般的です。そのため、下取り予定車の車検残期間も半年以上残っている方が、納車トラブルを回避できるとのことで歓迎されるようになりました」とは事情通。
それでも、「下取り車の車検有効期間が少ないので売れません」とはいえない。ディーラー個々で対応は異なるようだが、いまのような“年単位”での納車待ちも珍しくない状態では難しいが、下取り車の車検が切れてから、納車まで数カ月ぐらいあるくらいならば、レンタカーを格安手配したりした“代車”を手配することがある(料金はお客負担)。ただ、これより一般的なのは、あくまで法定点検と車検がセットになり、料金が高くなる“ディーラー車検”となるものの、車検に最低限の点検と整備を行い、車検を通してもらうことで下取り予定車に乗り続けてもらうケースのほうが一般的のようだ。