過去に伝説を作ったクルマも今ではほぼ売上ゼロ
2)日産 シーマ
*2021年の1カ月平均登録台数:10台以下
現行シーマは、フーガハイブリッドのロング版だ。しかも価格は、もっとも安い標準仕様でも823万1300円に達する。フーガハイブリッドに同等の装備を与えた標準仕様は654万9400円だから、シーマはフーガハイブリッドに比べてボディを延ばしたことで、約160万円値上げされた。
しかもベースになったフーガも、ノーマルエンジンとハイブリッドを両方設定しながら、1カ月の平均登録台数は50台少々だ。フーガの登場は2009年、シーマも2012年と古く、割高な価格も加わって売れ行きを低迷させている。
3)ホンダ・レジェンド
*2021年の1カ月平均登録台数:約30台
発売は2014年と比較的新しく、スポーツハイブリッドSH-AWDの機能も先進的だ。前輪に1個、後輪には左右輪を別々に駆動する2個のモーターを搭載して、4輪の駆動力を綿密に制御する。走行安定性と乗り心地のバランスは良好だ。
レジェンドの価格は724万9000円だが、搭載される機能を考えると、むしろ割安に思える。それでも1カ月平均登録台数が約30台と少ないのは、レジェンドの内外装が高級セダンとしては地味で、しかも認知度が低いからだ。今の日本国内におけるホンダの新車販売状況を見ると、軽自動車が50%以上を占める。そこにフィット、フリード、ヴェゼルも加えると、国内で新車販売されるホンダ車の80%に達する。
その結果、今のホンダのブランドイメージは「小さなクルマを造るメーカー」になった。オデッセイ、ステップワゴン、レジェンド、アコード、シビックなどは、すべて「残りの20%」に含まれてしまう。いいかえれば、全長が4400mm以上の車種はすべて販売が低迷しており、その典型がレジェンドだ。
4)日産 GT-R
*2021年の1カ月平均登録台数:約60台
2019年までは、GT-Rは1カ月平均で約500台を登録していたが、その後は下降傾向を辿った。
2007年に発売した時の価格は777万円だったが、今はピュアエディションが1082万8400円だ。つまり、300万円以上も値上げされた。その結果、今の登録台数は1カ月平均で約60台だ。
以上のように高価格車といえども、販売不振の背景では、価格の割高感が大きな影響を与えている。