ロードスター人気にあやかってZ3としてZシリーズが復活
Zシリーズの存在を多くの人に広めたのが1995年発表のZ3だ。こちらは以前のコラムでも書いたように、ライトウェイトスポーツのベンチマークになったマツダのユーノス・ロードスターの上級版として企画されたものだ。
これが現在のZ4に発展するわけだが、まったく違うコンセプトのクルマに同じシリーズ名を与えるBMWの柔軟な発想には感心する。しかもロードスターに続いてクーペも登場させ、Mロードスター/Mクーペの名前でMシリーズまで出すのだから、ドイツ人はしたたかだ。
この頃が複数のZシリーズがあった時期で、2000年にZ8が生まれている。1950年代のロードスター、507をモチーフにしたもので、エンジンも507と同じV8だった。といってもラグジュアリーカーではなく、エンジンは当時のM5と同じ、トランスミッションはMTのみという硬派な成り立ちだった。
こちらはBMWジャパンが正規輸入したが、ポルシェ911にもティプトロニックが選べる時代だけに、ヒットとはいかなかった。それでも、映画007のボンドカーに起用されたほか、アップルの共同創業者スティーブ・ジョブスが愛車にするなど、話題は多かった。
新車のガソリンエンジンスポーツカーがこの先も販売できるかどうかわからない今こそ、Z8復活の最後の好機ではないだろうか?