トヨタがまさかの特許侵害で日本企業から訴えられた! 超大手企業2社の間に何があったのか? (2/2ページ)

トヨタは主張を全面否定でその影響も不明だ

 こうした日本製鉄による提訴に対して、トヨタは「弊社が訴えられたことについては、大変遺憾に感じている」とした上で、「弊社では、さまざまな材料メーカーとの取引にあたり、その都度、特許抵触がないことを材料メーカーに確認するプロセスを丁寧に踏んでおります」としている。

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 今回の無方向性電磁鋼板についても、宝山鋼鉄と取引締結前に、特許侵害がないことを確認しており、また日本製鉄からの指摘を受けて、改めて宝山鋼鉄に特許侵害について確認したが、特許侵害の問題はないとの見解をもらっている、と説明している。

 こうした日本製鉄とトヨタ双方の主張が食い違っている状況で、トヨタが具体的にどのような電動部品で、無方向性電磁鋼板を使っているのかについては情報が公開されていない。

 日本製鉄の指摘した電動車という括りに、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、また、日本では未発売のC-HR EVや、レクサスUX300eなどのBEV(バッテリーEV)、中国市場のトヨタ電動車ラインアップのどのモデルのどのモーターに使われているのかは不明だ。

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 また、宝山鋼板が製造する無方向性電磁鋼板が、日本国内で販売されているトヨタやレクサスの電動車に使われているかも現時点では分からない。そのため、仮に、日本製鉄が電動車の製造販売の仮差止めが認められた場合、その影響が日本市場に及ぶかどうかも不明である。

 いずれにしても、無方向性電磁鋼板のほかにも、さまざまな金属製品で取引があるトヨタと日本製鉄が裁判で争うという状況は、自動車産業界全体にとって、そしてユーザーにとって喜ばしいことではない。

 今後の2社の動向を注視していきたい。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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