緊急時以外で高速道路の路側帯を走るのはNG
一方、高速道路の路側帯になると話は違う。路肩と似ているように感じるが、高速道路のようにそもそも歩道がなくスペースが確保されているだけの路側帯は、あくまで緊急車両用の車線という位置づけであって、四輪は当然として二輪も走行は禁止されている。
だからといって二輪・四輪問わず路側帯に入ること自体が違反行為だとはいえない。危険防止のために一時停止するとき、パンクなどの故障によるやむを得ない状況で駐停車をすることは違反とはならない。ただし、高速道路上で駐停車する際は三角表示板を掲示する義務があり、三角表示板を持っていないことは違反となることは覚えておきたい。何が起きるかわからないと考えると、高速道路を走るときには三角表示板を積んでおくべきだ。
ちなみに、二輪であっても三角表示板の表示義務を免除されるわけではない。二輪で三角表示板を積んでおくというのは非現実的といえるが、それが法律というものだ。
さて、高速道路のダラダラとした渋滞にハマると、どんなに自動車が好きというドライバーであっても、自動運転を利用したくなるという声は少なくない。
それは夢の話ではなく、現実になっている。渋滞対応などと表現される先進運転支援システムは、渋滞時に先行車に追従して走り、また道に合わせてステアリングを操作する。ドライバーはなにもしなくてもクルマが勝手に渋滞を走ってくれるような感覚になる。
ただし、現時点で市販されているモデルでいえば、ホンダ・レジェンド・ホンダセンシング・エリートを除いて、国内外すべてのクルマが自動運転レベル2にとどまっている。ドライバーは運転操作自体せずとも周辺とシステムを監視する必要がある技術レベルである。
つまり先進運転支援システムが渋滞をうまく走ってくれるからといって、スマートフォンを操ったり、AV画面を注視したりというのは違反になる。スマホを手に持って操作しているドライバーを見かけることは珍しくないが、どんなに先進運転支援システムが進化していると主張しようと、それはNG行為だ。
ちなみに、量産車では世界唯一の自動運転レベル3といえるホンダセンシング・エリートであっても、スマホの使用は推奨していない。レジェンドに乗るとわかるが、60km/h以下の渋滞状態など自動運転レベル3の条件を満たしているときはいいが、流れ始めて速度が高まってくると、シームレスに自動運転レベル2に移行する。当然、そのときドライバーはシステムと周辺を監視する必要が出てくる。
たとえばカーAVで動画を楽しんでいるのであれば、車両側で画面にモードが変わったことを表示してドライバーに情報を伝えられるが、スマホに夢中になっていると、条件が変わって自動運転レベル2へ移行したことに気付かないことが考えられる。そのため自動運転レベル3が起動しているときであっても、スマホの使用は推奨していないのだ。
ドライバーがスマートフォンを安心して使えるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。