欲しいクルマに「NO出し」される夫多数! 購入時に奥さんを口説く方法とは (2/2ページ)

奥様に寄り添ったクルマ選びがポイントのひとつ

 まず長期戦は、最低でも半年〜1年くらいかけてじっくり口説き落とす作戦です。いちばん最初にすることは、欲しいクルマのミニカーを1個、買うこと。ポストカードや写真でもいいのですが、それをさりげなく、奥様も気付くような場所に飾ります。自分からは何も言わず、奥様から「これどうしたの?」などと話しかけてくるのを待ちましょう。聞かれたら、「最近気になってるクルマなんだ」ということを伝え、少しずつ、できれば数回にわたってどんな良さがあるのかを奥様に力説します。

 何度も聞いているうちに、奥様のほうもだんだんとそのクルマに情が移ります。もし街中で同じクルマを見かけたら、すかさず「やっぱりいいなぁ」と呟くなど、抜かりなく奥様の目をそのクルマに向けてください。要するに、奥様もそのクルマのファンにしてしまうのです。時間はかかりますが、それがうまくいけば第一段階突破も同然。あとは、先ほどのNOと言われる原因の2つめと3つめをクリアするようにしましょう。奥様にもメリットがあることを挙げ、奥様自身がそのクルマに乗っているところを想像できるようにすること。そして、お金が出せるタイミングを見計らうこと。これが長期戦の作戦です。

 3カ月〜半年くらいの短期戦で口説きたい場合は、奥様をファンにしている時間はありませんので、いきなり現実的なところをクリアしていく必要があります。大切なのは、「買う」と決めてから奥様に話すのではなく、必ず「欲しいと思っているんだけどキミはどう思う?」というように、奥様の気持ちを尊重していることを強調すること。その時に、「買うべき理由」を「奥様主体」で5〜10個は挙げられるように準備しておきましょう。「燃費が良くなるし税金も安くなる」といった家計に直結する理由はもちろん、「シートヒーターがあるとキミの冷え性もラクになると思う」とか、「デザイン的にすごく似合うと思う」といった理由で、自分が欲しいだけでなく奥様のことも考えているよ、というところを強調しましょう。ハンズフリーのパワーゲートがあるなら、「いつも重い荷物を積む時に大変そうだから」といった理由もいいですね。

 女性からすると、洗濯機や食洗機のような家電ならば、新しくなると自分にメリットがたくさんあることが想像しやすいのですが、クルマの場合はそれがなかなか想像しにくいのです。なので、それをわかりやすく、奥様が喜びそうなポイントを押さえて説明してあげるといいと思います。そして短期戦の場合ももちろん、お金が出せるタイミングは間違えないようにしてください。もし、予算が足りないと言われそうだったら、自分のお小遣いを減らす、晩酌のビールを週3回に減らす、などといった、具体的な交換条件を出して奥様の気持ちをほぐすことも忘れずに。ここでは、「そこまでしてでも欲しいのか」と思わせることが大切です。

 というわけで、女心は複雑ではありますが、基本的に夫婦仲がうまくいっていれば、ご主人が欲しいものをそんなにむげには却下せず、一応は検討してくれるはず。なので、普段からちゃんと奥様を大事にしておくという、「下準備」も必要ですね。男性の皆さまのご健闘を祈ります。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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