感染拡大している欧州ではさらに悪化する可能性も!
このほかハリアーも販売店では「納期は8〜9カ月」としており、全般的にSUVは人気が高いために納期も延びている。
「生産が間に合わないなら増産すれば良いだろう」と思うが、一度生産規模を増やすとその後も同じ生産ペースを保つ必要が生じる。そうしないと余剰な生産設備を持つことになってしまう。そこを考えると、各社とも増産に踏み切れない。
しかし、今は新車需要の約80%が乗り替えに基づくから、納期が遅れると新車の納車前に愛車が車検期間を満了する。改めて車検を取って納車まで乗り続けるようなムダも生じるから、納期の遅延はユーザーに経済的な負担も含めて大きな迷惑を掛けてしまう。納期の短縮には力を注ぐべきだ。
そして輸入車では、さらに納期の遅延が深刻化している。海外では新型コロナウイルスの感染者数が再び増加しており、ドイツは2021年11月に入って1日当たりの感染者数が3万人を超えたと発表した。人命にかかわる緊急事態だから、クルマの納期が延びても仕方ない。
たとえばフォルクスワーゲン・ゴルフは、新型にフルモデルチェンジされたこともあり、販売店では「納期が8カ月近くに遅延している。ワゴンであるヴァリアントも含めて、11月に注文をいただいても納車できるのは2022年の6月頃になりそう。それでも納期を約束できない」と述べている。
メルセデスベンツGクラスも、販売店によると「納期はディーゼルが約2年、ガソリンは1年半」だという。
理由を尋ねると「新型コロナウイルスというより、受注台数に対して供給量の少ないことが原因」とのこと。つまり、ランドクルーザーと同様の理由だ。納期遅延の背景にも、さまざまな事情がある。